20mm Flakvierling38
20mm 4連装対空砲38型

2007.09.05  基礎 工作
キットのパーツ構成は写真の通り。
砲座部は3つのパーツに分割され、防盾・砲架は一対づつに分割されている。
座席などの細かいパーツもしっかりと鋳造されているため、今回は部品の作り直しは不要であろう。
ホワイトメタルキットの制作は剥離剤の除去から始めることとなる。
剥離剤の除去は写真の様な真鍮ブラシを使用する。
剥離剤を除去した後にメタルプライマーを全体に塗布する。
本来塗装の下地剤であるメタルプライマーをこの段階で塗布する理由は、接着剤の食いつきを良くする為と金属表面の保護を目的としている。
使用したメタルプライマーはグンゼ製の製品である。
砲身はホワイトメタルでは強度が足りないことからアフターパーツで作り直しを 行なう。
キットパーツの不要部を除去した状態。
砲身はアルモの1/72用アルミ挽き砲身を使用。
本来はアベールの製品の方が細身でデティールも良いのだが、今回は入手できなかったため在庫品のアルモ製を使用した。
砲身の組立前状態。
真鍮パイプの組み合わせで基部を作り、アルミ挽き砲身とキットパーツに設ける凹部に嵌め込む為の真鍮線である。
写真がボケてしまったが、均一の長さに切り出した真鍮パイプはこの様に組み合 わせる。
全ての部品をハンダで固定した状態。
キットパーツと組み合わせた状態。
砲座部はほぼキットのままで使用する。
操作用ハンドルの基部を紛失してしまった為、プラ材で作り直しを行なっている。
砲架固定部はピンバイスで貫通させた後、真鍮パイプを埋め込んだ。
砲架は可動式とするため、真鍮線と真鍮パイプの嵌め込み構造とした。
砲架は砲座を挟んでこの様に組み合わせて使用する。
砲架は思いの外しっかりとはまり込んだので、塗装をかけた上で嵌めれば接着は 不要かもしれない。
砲身を取り付けた状態。

2007.09.08  可動 部作成
砲架基部のパーツは一体成形されている。
本来防盾のパーツは砲架の凹部に防盾の凸部を差し込んで接着する構造となるが、稼働させることを考えた場合にはこれでは十分な強度を得ることができない。
可動部の強度を確保する為、凹凸を逆にする。
砲架部のシャフトを真鍮線と真鍮パイプの組み合わせで作成する。
砲架の凹部にシャフトを瞬間接着剤で固定する。
防盾側はキットパーツの加工を行なった後に真鍮パイプを接着する。
強度を確保する為、真鍮板で補強を行なう。
防盾をシャフトに差し込んだ状態。
稼働域を制限するストッパーが無い為、どう固定するか悩みどころである。
砲と組み合わせた状態。
さほど精密な作業をしたわけではないが、干渉する部分もなく期待通りの形となった。
照準機と主砲の連結部。
キットパーツをベースに真鍮線で軸を作り直した。
仰角時の照準機の追従稼働は一応再現。
一通り組み上がった状態。
工作はここまでで、次は塗装に移る

2007.09.29  塗装
塗装の下地を作る。
下地剤はマルチプライマーを定例通り使用する。
下地色の統一と傷の隠蔽の為にサーフェイサーを吹く。
影となる部分にブラウンを吹く。
基本色となるダークイエローを吹く。
使用した塗料はMr.カラーのダークイエローである。
砲身・座席・弾倉などの個別塗装を行なう。
コピックマーカーのW10 Warm Gray No.10で基本の塗り分けを行い、ツヤを落したい箇所はシタデルの水性塗料を上塗りしている。
防盾に迷彩を施す。
今回明示的な迷彩を行なうのは防盾のみとなる。使用する塗料はコピックマーカーのG94 Grayish Oliveである。
まずは大枠の文様を軽く書きこむ。
塗料の縁にカラーレスブレンダーを当て、塗料を寄せていくことで徐々に色を濃 くしてゆく。
幾度かコピックマーカーを重ね、文様を調整する。
4回程度処理を重ねて写真程度の色合いになる。
全てのパーツを組み合わせた状態。
防盾を折り畳んだ状態。

2007.11.15  仕上げ
仕上げのウェザリングを行なう。
迷彩が溶け出さない様にラッカーのクリアを全体に吹き、コピックマーカーと油彩で全体の色調を整える。

よく乾燥させた後にエナメル塗料で塗料の剥げを筆塗りする。
防盾の縁や砲架も同様に剥げの表をを行なう。
剥げ塗装の周囲にラッカーの錆色を軽く乗せてゆく。
足回りを中心にピグメントで泥汚れを乗せる。
アクリル溶剤を塗布した上にピグメントを乗せ、半渇きの状態で筆で払い落とす方法を取る。
防盾の下部にも砲脚と同様の泥汚れを乗せる。
防盾の縁に乗せた剥げ塗装が不自然であったため、コピックマーカーを使用して修正を加える。
E18 Copperを縁に乗せ、ColorlessBlenderでぼかしながら全体に色を伸ばしてゆく。
仕上げが終り、これで完成である。

今回はリサーチ不足であった為、結構手抜きの工作となったしまった。
メタルキットに稼働軸を入れるのはなかなか骨の折れる作業ではあるが、所定の稼働箇所は全て動く状態で完成したので、その点はまぁまぁの出来であるかもしれない。

塗装は2度めになるコピックマーカーを使用した迷彩を行なった。塗装後の保護被膜形成などで手がかかる方法ではあるが細いラインの迷彩ではなかなか使える方法であると思われる。