Sd.kfz 131 MarderII(75mmPAK40/2)
II号対戦車自走砲マルダーII(46口径75mmPAK40/2型)

2004.04.04  キット内容確認
キットの車体部。
装備品類も含めて成形されているが気泡や欠落分が目立つ。装備品類はある程度置き換えることを前提に作業を進めることになりそうである。
主砲の7.5cmPAK。
造形は素晴らしいのだが、マズルブレーキに大きな気泡があり、またハンドル類の小物はモールドが完全に潰れてしまっている。
こちらもこのままでは厳しいので、どうするか考え物である。
1/76 7.5cmPAKの比較。
上からミリキャスト MarderIIの主砲パーツ、フジミ製の7.5cmPAK(I号対戦車砲おまけキット)、JaderModel製アルミ挽き7.5cmPAK砲身である。

2004.04.18  7.5cmPAK40/2
主砲はフジミ製キットとJaderModel製アルミ挽き砲身を組合せたものを使用。
フジミ製7.5cmPAKは以前作ったモノを分解して使用している為、一部塗料が乗っていたりする・・・
フジミ製キットは形状は悪くないのだがモールドの省略が多い為、それなりの工作が必要である。

2004.05.17  仮組みと細部工作
本業が忙しく、しばらく更新(制作も)を停滞していたが、一息ついたので作業を再開。模型制作はそれなりの集中力が必要な為、私は精神的に余裕がないと作業が手につかないようである。
写真は仮組みを行った状態。
おおよその完成時のイメージは浮かぶようになったが、各部モールドの再現や装備品の取付など、やるべき工作はまだまだ済んではいない・・・
防楯の工作
最近多用している真鍮線を使用したリベットの再現を行なう。
キットのリベットモールドを切除し、リベットを打つ位置に0.4mmの開口を行なう。(左右3対)
開口部に0.3mmの真鍮線を瞬間接着剤で固定する。
この段階では適当な長さにカットした真鍮線を突き刺すイメージで作業。
固定した真鍮線の余剰部を切除し、長さが均等にする。
切除後はヤスリがけを行ない、切断面を整える。
砲尾の工作を終えた状態。
キットパーツの削り込みとプラ材・真鍮線による工作である。

2004.05.19  戦闘室装甲
戦闘室側面の装甲板に手を入れているうちに作り直した方が早いとの判断に至り、真鍮板から切り出して自作することとした。
キットのパーツと参考資料を元に採寸し、真鍮板から切り出した状態。
これは一度目に切り出して寸法的に失敗したパーツであるが、切り出し直後のイメージはこの様な感じである。
こちらは二度目に切り出した本命(?)パーツを曲げ加工した状態。
裏面のみハンダでメッキを行った。
組立て途中の右側面装甲板とキットパーツとの比較。
各面を切り出しハンダで固定している。タイムリーなことにAM誌の連載記事にて金属板加工とハンダ付けの説明があり、それを参考に作業を進めた。
キットのパーツも手を入れて挫折した跡が・・・
同上の比較。
仮組みをした状態。
一度失敗しているだけに、寸法的にはキットとの違和感は少ない。
今後数日間は側面装甲への細部加工と部品の取付作業を進めることとなる。

2004.05.25  戦闘室装甲
引き続き真鍮板を用いた戦闘室側面装甲の制作。
曲げ加工を終えた装甲板に真鍮板より切り出したパーツを取付た。パーツの接合には引き続きハンダを使用している。
戦闘室内が見える一様。
右側面の装甲板は内側に構造物があるため、こちらも真鍮板から切り出したパーツを用いて組立てている。
正面から見た状態。
オリジナルのキットパーツでは7.5cmPAKの防楯下部に食い込むように広がる装甲は再現されていなかったことから、この部位の再現を念頭に作業をしている。
車体と側面装甲板の接合部はL字アングルをリベット打ちで固定する構造の為、真鍮板にてL字アングルを再現した。
右側面装甲板のアップ。
正面の車体とのつけ根となる箇所はハンダを乗せすぎてしまっており、スキルの低さを露呈してしまった・・・
塗装前の表面処理を考えると頭の痛い所である。
左側面装甲板のアップ。
装甲板の折り曲げ加工時に出来た裂け目から、裏面をメッキした際に流れ出たハンダが目につくが、右側面より玉にならずに流れた為、後処理は楽そうである。
右側面装甲の内側。
この箇所にはMG34を格納するラックが固定されており、こちらも真鍮板を用いて再現を試みた。ホワイトメタル製のMG34を取付たところ寸法的に苦しくなってしまったが、一応固定はできている。
なお、MG34ラックの下部に飛び出している部位はクリーニング・ロッドの固定具である。
今回使用する予定の装備品類。
キットのモールドでは納得できない装備品は全て切除し、アクセサリパーツに置き換えることとした。
機関銃とライト類はMMS Modelsの1/76 ホワイトメタル製、工具類はMarsの1/72 キャスト製である。これらアクセサリ類は一袋 \1,000前後と微妙な値段ではあるが、銃器類やワイヤーカッターなどは自作でどうにかできる物でもないので重宝する。

2004.05.28  砲弾ケース
車体後部のエンジンルーム上部に据え付けられた砲弾ケースの蓋を作成。こちらもキットパーツでは出来が今一つな為、真鍮板を用いて自作した。
砲弾ケースは三つのブロックに別れており、蓋も三パーツとなる。
キットの状態。
資料では後部砲弾ケースは計37発の砲弾を携行できたとされているが、キットでは32発分しかモールドが無かったりする・・・
キットのままのモールでは浅い為、ピンバイスで開口しているが、主砲基部が干渉してピンバイスが通らない箇所は開口を諦めた。
作成した砲弾ケースの蓋。
1.5mm厚の真鍮板より蓋・突起部・蝶番部を切り出し、突起部はハンダ付け、蝶番部は瞬間接着剤で固定した。

2004.06.06  主砲支持架
主砲支持架の制作。
キット付属のパーツは気泡とバリで使用に耐えないことから、真鍮線とパイプを用いて自作する。左図は制作途上の仮組み段階である。
支持架の基部はほぼ完成しているが、砲身の支持部位は仮の状態である。
支持架基部の状態。
凹字に加工した真鍮板に0.4mm径に開口し、車体に高強度瞬間接着剤で固定している。
支持架を基部に固定した状態。
内孔が0.4mmの真鍮パイプをハンダで組合せ、0.3mmの真鍮線で基部と接合している。
主砲基部・主砲下部の装甲板・砲弾ラックの帯部を真鍮板で作成。
主砲基部はもう少し手を入れる必要がある。

2004.06.11  仮組み
これまで作り溜めたパーツ類を全て組合せた仮組み。
仮組みをしたからといってこれで完成というわけではなく、まだまだ手を入れるべき箇所があり、いったい何時になったら完成するのか作ってる当人も分からなくなっている・・・
前回の更新時からの追加箇所は、砲弾ラック内の7.5cmPAK用砲弾をプラ材にて作成した点と戦闘室内の備品類の取付を行なっている点である。
主砲支持架は一応形にはなっているが、パーツの合いが悪く、作り直すか思案のしどころである。
戦闘室内を写した一葉。
予定していた装備品はどうにか詰め込むことが出来たが、こちらももう少し手を入れる必要がありそうである。
車体後部。
キットのモールドはほとんど切除して作り直しを行なっている。こちらも完成というわけではなく、不足している箇所の追加を行なう予定である。

2004.07.04  細部工作と車外装備品の取付
しばらく作業をしていなかった為、約1ヶ月ぶりの更新である。
前回の写真アップからの変更点は、車外装備品の固定・主砲支持架の作り直し・予備転輪固定具の作成・砲弾ラック上部のシート固定基部である。
仮組みも様になるようになり、制作開始から3ヵ月でようやく終りが見えてきた様に思える。
使用した装備品類はMMS Modelsの1/76 ホワイトメタル製品とMarsの1/72 キャスト製品である。
自作可能な装備品類は真鍮線や真鍮パイプより作成した。
予備転輪の固定具基部。マーダーIIはII号戦車F型を車体に採用して制作された派生車両であるため、予備転輪固定部はこちらを参考にしている。
II号戦車F型の予備転輪固定具は牽引ワイヤーの固定具も兼ねており、比較的複雑な構造をしている。
制作は真鍮板を主材料にハンダと瞬間接着剤で固定し、後の塗装の利便性を考えて転輪は取り外し可能な様に上部固定部は可動式とした。
牽引ワイヤーを巻きつけた状態。
真鍮の縒りワイヤーと真鍮パイプを使い、接合にはハンダを使用した。上部固定具下部に0.3mmの真鍮線を立て、ワイヤーのフック部を引っかけ、固定具の周囲を巻くように取付ている。
実車の写真では固定具に合わせて三角形に巻かれるのだが、真鍮ワイヤーでは張力が強過ぎて楕円状になってしまった。本来はもう少し柔らかい素材で制作すれば良いのであるが、妥当な素材が見つからないのが難点である。
キットの予備転輪を取付た状態。
苦労して巻いたワイヤーは完全に隠れてしまった・・・_| ̄|○

この予備転輪固定具は形状の把握と設計はさほど難しくはないのだが、実作業は困難を極め、何度も失敗した結果ようやく様になった部位である。
内装も若干手を加えている。
戦闘室左側面装甲の工具類は瞬間接着剤で固定した後に、パテの袋を用いて固定部を作成している。
砲弾ラック上部のシート固定具は0.25mmの燐銅線にて作成したが、オーバースケールの様に感じられる。シート固定具は戦闘室側面装甲にもあるため、こちらを制作する際には要注意である。

2004.07.09  予備履帯固定具・後部トラベル・ロック
予備履帯固定具の作成。
マーダーIIの予備履帯固定具は車体前面の牽引フック下部が所定位置である。キットには予備履帯が付いてきていたが成形がイマイチであり代わりになる部材を探していたが妥当なものが無かった為、予備履帯固定具のみの制作を行った。

写真は車体に牽引用フック部を固定した状態。
車体への取付は瞬間接着剤で仮度めをした後、0.4mmで開口して0.3mmの真鍮線を通し、その上に瞬間接着剤を流す方法を用いた。
固定具を取付た状態。
固定具は全て真鍮板にて作成し、組立てはハンダを用いた。
牽引用フック基部への固定は同じく開口して真鍮線を通す方法を用いている。
戦闘室内に設置されているトラベル・ロックを作成。
強度が必要な基部は真鍮材で作成してハンダで組立てを行い、トラベル・ロック上部はプラ材と真鍮材を組合せて作成している。
トラベル・ロックを戦闘室内の所定位置に固定した状態。
トラベル・ロック上部の構造は一部適当に誤魔化した場所があるのだが、もう少し努力すれば良かったと少し後悔している。取り外してもう一度作り直す気力がないのでやり直そうとは思わないが・・・
トラベル・ロックを倒した状態。
どうせ作るなら可動式!と思って制作したのだが、目立たない部位なだけに完全に自己満足の世界である。
金属材料の魅力は薄さと質感だけでなく、この様な可動部の作成が容易な点にあるとも感じる。もう少し大きなスケールであればプラ材でも十分な強度が得られるのかもしれないが、1/76のキットに合わせて削り込んだプラスチックは非常に脆く、可動部の作成は困難である。金属は加工や組立てが難しいという問題はあるが、これらの魅力を考えると手放せない材料である。

2004.07.14  仮組み
塗装前の仮組み。
工作はこれで完成とする。ここまで来るのに実に3ヶ月余り...なかなかの難物であった。
金属加工部品を大幅に使用した初めての作品ということになる。
組立前のパーツ状態。
車体と防楯のみキットのパーツという結論になってしまった。
戦闘室側面装甲板上のフックを取付た状態。
強度・寸法共に不安要素が大きく、組立て・塗装に耐えられるか心配である。
組立て後の左側面図。
組立て後の右側面図。

2004.07.19  下塗り
下地塗装。
まずは下地のみの塗装を行なう。手順はこれまでと同様である。
左図は転輪のゴム部を水性塗料で塗り分けた状態である。
迷彩についてはリサーチが進んでいないため、このまま1〜2週間は作業停止になるかもしれない・・・
基本色となるダークイエローを吹いた状態。
足回りは履帯をマスキングした上で車輪に基本色を吹いている。
履帯部にダークグレーを吹いた状態。
影となる部位にレッドブラウンを吹く。
塗料が入り難い足回りなどの凹部では下地色となるため、特に入念に吹いている。
下地のサーフェイサーを吹いた状態。
複数の素材から作り出したパーツが素材の地色を失い一体化するため、個人的にはこの状態もなかなか気に入っている。

2004.08.22  迷彩
1〜2週間の作業停止予定が結局1ヶ月以上も放置してしまったが、今回の作業で迷彩・マーキング・ウォッシングまでを進めた。
迷彩は多少明るめに調整したオリーブグリーンによる縞状の迷彩とした。
デカールはBISON DECALS製1:72/1:76 STURM,JAGD用から国籍マークのみを使用した。
迷彩を施した状態。
使用した緑色はMr.カラーのグリーンをベースにオリーブグリーンを加えて明るめの色調に調整した。軽戦車は車体面積が小さいため、0.3mm孔のエアブラシでは縞状迷彩を吹くには限界がある。現状では今回の程度の太さが限界かと思われる。
塗装前の基本色状態。

2004.08.25  トーン調整
コピックマーカーを使用して全体のトーンを調整。
主に茶系のマーカーを使用して全体のトーンを落としている。マーカーは特に色を濃く残したい部位にのみ当て、ブレンダーを使用して広い面に対して色を伸ばす使い方をしている。
また、装備品の塗り分けも行っている。装備品類は下地として隠蔽力に優れ、他の溶剤に侵されにくいシタデルカラーを使用した。
木部はシタデルカラーのダークイエローを下地に、コピックマーカーのサンドで塗装を行った。

2004.08.27  ウェザリング
輪郭線の強調と剥げ跡の再現を中心としたウェザリング。
こちらよりも先に完成したII号装甲観測車で行った手法の応用と、先日撮影した実車の剥げ跡等を参考に作業を行った。
使用した塗料はタミヤ エナメルカラーのフラットブラウン及びメタリックグレーとウェザリングカラーセットのラスト(錆)を使用している。
実車における塗料の剥げ跡は、金属地が露出する地点を中心に錆止め塗料・基本色と3パターンの色の変化があるため、塗装にて再現する際には実際の露出順とは逆に基本色 - 錆止め - 金属露出部の順に塗装を行った。
金属露出部は全体的に浮いてしまう為、コピックマーカーの使用やつや消しを吹くなどの方法で周囲と馴染ませる努力をしている。

2004.08.29  仕上げ

泥汚れと仕上のオーバーコートとしてつや消しクリアーを吹く。
泥汚れはウェザリングカラーセットのマッド(泥)を下地として薄く吹き、その上にピグメントのヨーロピアンダストを使用した。
仕上げはつや消しを薄く吹いた後にコピックマーカーで最後の色調調整を行い、再度つや消しを吹いた。

制作開始から4ヵ月余りかかっての完成であるが、金属素材による部品制作やコピックマーカーの本格的使用などの新たな制作手法を取り入れながらの作業であり、また途中で別車両の制作を行なったりと多くの寄り道をしながらの作業であった。
初のオープントップ型車両であったが内装は割り切って行なった為、さほど苦労は無かったが、如何せん車体が小さいことから組立後の塗装が苦労の連続であった。組立順と塗装時のパーツ割などはまだまだ研究の余地がある点である。
また、迷彩塗装以降に多用したコピックマーカーは一般的にフィルタリングと呼ばれる塗装方法に近い使い方が可能であり、希薄した塗料と筆で行なう従来のフィルタリングよりも狭い面に対して効果的に処理を行なえるメリットがあるため、今後とも思考錯誤しながら使いたい道具である。マーカーは広い面を塗装するエアブラシや細部を塗り分ける筆の様な使い方には適さないが、一部を中心に滲んだ色彩を出す場合や全体のトーンを落すなどの使い方には絶大な効果があり、インクの隠蔽力の少なさが他の塗料とは異なった表現を行なう事を可能としている。

完成してみれば車体と防楯以外は非キットパーツという結果となったが、キット自体はバリと気泡が無ければプロポーションは良い出来である。結局はパーツの作り直しと置き換えに走って対処したわけだが、古いミリキャストのキットはしばらく遠慮したいというところが本音であるかもしれない。