Sd.kfz.138 Panzerjager "Hetzer" Late Model for Skoda 1945
38(t)駆逐戦車ヘッツァー スコダ社1945年生産後期型

2012.07.09 基礎工作
今回は旧パッケージの在庫品を元に作成するのだが、キットの構成が特に変わるわけではない。
ランナー2枚に収められたシンプルな構成だが、少ないパーツ構成でヘッツァーの特徴をよく捉えており、素組でも相応に見られる形になるのがこのキットの良 い点であると思う。
砲身はアルミ挽きのアフターパーツを使用する。
ARMOの1/72用パーツだが、1/76で使用してもさほど違和感が出るわけではない。
車体上部は組立不要の一体成型パーツとなっている。
この部位は手を入れれば入れるほど完成時の見栄えが良くなる箇所である。
車体下部はシンプルな箱組構造となっている。
砲身と防盾のすり合わせを行う。
砲の取付構造はキットに準拠するため、砲身とキットパーツの組み合わせ調整を行い、無理なく収まるように加工する。
今回作成する最後期の生産車に見られる誘導輪を作成する。
キット付属パーツ肉抜き穴が6個のタイプだが、今回作成するものは4個のタイプとなる。
まずは既存の穴をプラ材で埋める。
埋めたプラ材が十分に溶着したことを確認した上で余剰部分の切除と表面処理を行い、新たに肉抜き穴を開け直す。
肉抜き穴を開ける位置は既存の穴の中間部位となるため、パテ埋めでは穴を開ける際に崩壊する可能性がある。このため、今回はプラ材を使用して加工を行っ た。
戦闘室背面の部品。
このキットで唯一残念な部品で、ハッチの凹部が全て凸モールドで表現されている。
まずは手始めにハッチの取手類を金属材に置き換えるための穴を開けた。
車体上部。
クレーン設置用のピルツを真鍮パイプに置き換える。

2012.08.11 フェンダー作成
戦闘室背面パーツのハッチ類の凸モールドを凹モールドに変更する。
デザインナイフをモールドに沿って走らせて溝を刻み込み、次に紙やすりで凸モールドを削り落とす。全て薄い凹モールドとなった後、デザインナイフや彫刻刀 で溝の幅と深さを調整し、凹モールドに仕上げる。
ハッチの取手・蝶番・ボルト類を作り直す。
金属素材から個々のパーツを作成し、瞬間接着剤で固定している。
後部フェンダーの作成。
同時作成しているシュタール型の分も含めてまとめて作成するため、真鍮板より4枚のパーツを切り出した。
キットパーツを図面と並べて確認した結果、付属パーツの寸法が正確であったため、このパーツの寸法を元に部材を切り出した。
ケガキ針を使用して滑り止めの凸モールドを付け、片面のみ折り返しのL字加工 を施した。
車体への取り付けは真鍮線を用いて行う。
支持ポイントは2箇所もあれば十分と判断し、適当に切り出した真鍮線をハンダ付けした。
車体側に受け口の穴を開け、真鍮線の取り付け軸を差し込んだ状態。
アバウトに作った割には十分な取付強度が確保できた上に歪みも発生しなかった。
続いて前部フェンダーの作成。
寸法はフジミのキットパーツに準拠させ、2両分のパーツをまとめて作成する。

滑り止めモールドと折り曲げ加工を行う。
車体との接触面の調整がやや複雑なため、車体に取り付けながら調整を行う必要がある。
車体への取り付けは真鍮線の軸にて行う。
こちらは寸法が小さいことから、コの字型に折り曲げた真鍮線をハンダ付けした。
車体側に受け口を開口し、真鍮線の軸を差し込む。
固定位置が確定した後、車体との接触面を調整を行う。
正面から見た感じではやや歪みが見られるため、固定前にもう少し調整が必要に なりそうだ。

2012.09.16 排気マフラー作成
シェルツェンの取り付け位置を形成する。
一部の最終生産型ヘッツァーにはシェルツェンが装備されていないケースが見られる。今回はシェルツェンを装備していない型を作成するのだが、装備はしてい なくても取り付け基部は残されていることから、基部の作成を行う必要がある。

シェルツェン基部を作成するにあたり取り付け位置を決めるため、シュタール型用に作成したシェルツェンを使用した。
基部はボルト留めの構造をしていることからアドラーズネストのボルトを使用し た。
これは0.5mmの六角ボルトヘッドが付いたステンレス製のアフターパーツで、直径5mm程度のステンレス部材から削りだし加工で製造されている。
30本1パックとなっているため、作業途上で失くしても大丈夫な数となっている。
ボルトは写真のような状態となっており、根本を切り離して使用する。
切断はデザインナイフでも可能な程度の硬度である。
所定位置に0.3mmの穴を開け、ボルトの部品を差し込む。
まずは一列分差し込み、車体からの飛び出し具合を調整した上で裏面から瞬間接着剤で固定する。
側面にボルトを植え込んだ状態の写真。
エンジンルームの吸気孔に金属メッシュを貼る。
この部分は、実車では複雑な構造をしているのだが、このスケールでは再現が難しいため省略することとした。
排気管を作成する。
マフラー部分は径が大きいことから適合する部材がなく、キットパーツを加工して作成することとした。

キットパーツをマフラー、排気管、排気管カバーの三点に分離させてそれぞれを加工する。
マフラーは表面を整形して段差や凹部をなくした後、ピンバイスを使用して開口した。仕上げに開口部に沿ってデザインナイフを走らせ、肉厚を薄くする加工を 行なっている。
排気管は曲げ加工が必要なことから、真鍮材に置き換えることとした。
こちらは適度な太さの部材を切り出し、曲げ加工後に瞬間接着剤でマフラーに固定した。
排気管カバーも表面処理を行った後、彫刻刀を使用してくり抜き加工している。
排気管を取り付けた状態。
最終生産型の排気管は後期生産型とは異なり、車体に対して水平に排気管が取り付けられていた。これは戦後生産のG13型と同じ取り付け方法であり、最終生 産型の特徴の一つとなる。