Sd.kfz.138 Panzerjager "Hetzer"
38(t)駆逐戦車ヘッツァー 後期型

2003.06.28  キット内容確認
38t駆逐戦車 ヘッツァーの制作は今回で三回目となる。過去には後期型(1944.10〜生産車)と指揮車仕様(1944.8生産車)を制作したが、今回は前期型(1944.5生産車)の制作を行なう。
キットの形状は良好であり、パーツ構成も実車に近い 転輪の肉貫等のディティールが省略されているため、細部のディティール修正を主に制作を行なう。

2003.06.30  パーツ構成
大まかなパーツ構成を確認。
基本的には典型的な箱組型のキットであるが、パーツ構成が絶妙で、主砲周辺の形状は実車に即した形のものとなっている。

2003.07.28  仮組
仮組を行った段階。
主砲周辺は定番の浮きパテによる鋳造表現を行っている。また、後部ハッチの取っては全て真鍮線で作り直している。

2003.07.29  シェルツェン
真鍮板よりシェルツェンを作成。片面三枚構成のシェルツェンを二対作製した。寸法は資料にある1/76図面とキットのパーツを元にし、プラ板で型を作った上で真鍮板から切り出した。
下地処理として、耐水ペーパーで磨いた後にメタルプライマーを塗布している。

2003.09.27  シェルツェンステー
2ヵ月ぶりの更新(^^;
作りかけで放置していたシェルツェン用のステー(取付具)を作成。こちらも真鍮板を1mm x 8mmの板状に切り出し、加工している。シェルツェンとの接合には初となるハンダを使用。金属部品同士の接合にはこれまで高強度瞬間接着剤を用いていたが、接合部の強度に難があるため今回はハンダを使用した。

2003.09.27  背面
車体背面のデティールアップ。ヘッツァーの背面装甲は複数の装甲板に別れているため、装甲板同士の接合部は凹モールドとなるが、キットは何故か凸モールドであるため修正を加えている。また、この際にハッチの蝶番は全て作り直した。
今回はキットのパーツをベースに作業したがモールドは全て作り直おしているため、キットのパーツは採寸にのみ使用し、全て作ってしまった方が早かったかも知れない。

2003.09.30  シェルツェン固定
シェルツェンの車体への取付。
シェルツェンステーに0.3mmの穴を穿ち、車体もそれに適合する位置にピンバイスで開口。車体側に0.3mmの真鍮線を差し入れ、そこにシェルツェンステーの穴を合わせてぶら下げる形で固定している。この状態ではすぐに外れてしまうので、後の行程で高強度瞬間接着剤により固定する。
ステーをシェルツェンに固定した後の作業ではあるが、ハンダを用いて固定したためステーが剥がれ落ちるということは全くなく、瞬間接着剤を用いた場合と比べて作業を容易に進められた。

2003.10.10  転輪
車輪の塗装。
ランナーから外す前に下地塗装を行い、切り取り後に起動輪と誘導輪の組立てと転輪のゴム部の塗装を行なう。ゴム部の塗装は伸びの良い水性塗料を使用。

2003.10.10  下地塗装
以下は基本色の塗装順である。
基本色のダークイエローを吹いた状態。これまではアクリル系の塗料を使用していたが、今回はラッカー系の塗料を使用した。同じ色名ではあるが仕上がりは大きく事なり、アクリル系塗料では若干白濁した印象を受けるのに対し、ラッカー系では黄味が濃く感じられる。
上と同じく、基本色を吹いた状態を背面から撮影。金属部品を多数使用すると撮影の際にフラッシュに反射してしまい、これまでは背面からの撮影がうまくいかないが、塗装をしてしまえば細部まで見れる撮影が可能である。
上記理由でこれまで出来なかった機銃架を取付た状態での初めての撮影となる。機銃架はプラ材と真鍮板で作り起こしたものである。防弾板の非対称の形状や機銃支持架の形状は『GRUND POWER 2001.10』号の特集記事の写真を参考にしている。
次に影になる部分にラッカー系塗料のレッドブラウンを吹く。
鋭角になった部位と足回りの下地色の濃度を上げ、基本色のダークイエローを吹いた際に色合いに変化を保たせることを目的とした処理である。定番の手法ではあるが、経験的には三色迷彩を施す車両では迷彩が施される部位ではさほど効果が無いと思われる。
下地としてサーフェイサーを吹く。
使用したサーフェイサーはグンゼ産業のMr.サーフェイサー 1000。今回は金属部品が多い為、メタルプライマーを混ぜた状態で溶剤にて希薄し、使用している。

2003.10.10  迷彩塗装
三色迷彩の塗装。
ヘッツァーは対戦末期の車両であるため、三色迷彩の色指定はダークイエロー、レッドブラウン、オリーブグリーンとなる。またこの時期の三色迷彩はダークイエローの比率が少ないことも特徴である為、ブラウンとグリーンの比率を多めに取るようにしている。
オリーブグリーンを吹いた状態。1944年12月頃の車両を参考にしてはいるが、さほど忠実に再現しているわけではない。

2003.10.13  補正
エアブラシの三色迷彩で失敗した箇所を筆で補正。
アクリル系塗料のダークイエロー・レッドブラウン・オリーブグリーンを使用し、飛沫跡と各色が接する面に塗料を置き、ドライブラシの要領で擦込んでいる。

2003.10.19  再塗装
塗装の結果が満足できなかった為、再塗装を行った。
筆塗りでは再塗装という選択肢はありえないが、エアブラシでは被膜が薄い為、容易に再塗装が行なえた。
迷彩パターンは『GRUND POWER 2001.11』号に掲載された戦場写真を参考にしている。
オリーブグリーンによる迷彩。
ダークイエローによる基本色塗装。
以前の塗装を隠蔽する為にサーフェイサーを吹き、影となるダークブラウンを吹いた状態。

2003.10.23  ウォッシング
デカール張りと装備品の取付、及び油絵の具によるウォッシングとパステルによるウェザリング。
溶剤にはぺトロールを使用し、ローアンバーを全体に流した後に影になる部位にバーントアンバーを流している。
また今回もパステルを用いたウェザリングを行なっているが、細かく砕いてもこのスケールでは粒子が大きすぎる感があり、同じ効果を期待するのであれば、粒子の細かい絵の具を使用する方が良いかもしれない。
デカールはキット付属の物を使用したが、小型車両だけにもう少しシャープなデカールが欲しいところである。写真には写っていないが、装備品類はジャッキ・ジャッキ台・牽引用ワイヤーを取付ている。

2003.10.25  ウェザリング
剥げや汚れを再現する為にウェザリングを行なう。
今回はパステルによる足回りの汚れの他に、鉛筆を使用した鋭部の剥げとラッカー塗料による錆の塗装も行なっている。
ウェザリングに使用した材料一式。
奥から、
MIG Production製 PIGMENT P028 「Europian Dust」
GSIクレオス製 ウェザリングカラーセット 「ラスト(錆)」
GSIクレオス製 ウェザリングカラーセット 「マッド(泥)」
ホルベイン製 ソフトパステル 4色「805、826、844、897」
ホルベイン製 油絵具 「バートンアンバー」
マツダ油絵具製 油絵具 「ローアンバー」
メーカー不祥 グラファイト鉛筆 9B
である。

2003.10.26  仕上げ
仕上げとして全体につや消しクリアーを吹く。これにより色調のまとまりをつけ、パステルの固定を行なう。
水性のつや消しクリアーを薄め液で希薄し、エアブラシで吹いた。足回りに多く吹きすぎてしまいパステルが白ばんでしまった為、マッドを少量乗せて調整をしてある。
休止期間があったとはいえ、完成まで足かけ4ヵ月。。新しい技法を幾つも試した試験工作がとなったが、ひとまず完成である。来年か再来年にはまたこのキットで今度こそはヘッツァー初期型を作りたいものである。