Sd.kfz.161 Panzerkampfwagen lV Ausf.J
IV号中戦車 J型

2003.01.20   防弾板取付
今回の製作の山場となる防弾版取付。このエッチングパーツは他社製の1/76 IV号戦車J型用の物だが、スケール的に問題が無いので転用している。エッチングパーツは左右の防弾板のみとなるので、取付金具類は全て自前で準備することとなる。IV号戦車J型の写真は特に少なく、中でもメッシュの防弾板を装備した車両の写真は見たこともない。そこで今回は防弾板パーツの説明書と他者の作例を元にして車体・防弾板双方に取付具を着け、間に真鍮線を通す形で固定している。ちなみにこの防弾板パーツは車体本体の4倍近いコストがかかっていたりする・・・

2003.01.23   組立
防弾板の取付けテスト。当初想定していたよりスムーズに取付けが出来たが、車体側の取付け具がイマイチだったので作り直している。防弾板は取付け方法が非接着方式なので着脱が可能。

2003.01.26   下地塗装 1
一通り形になった段階で塗装の下地としてメタルプライマー入りのサーフェイサーを吹く。砲身を砲塔に取付けた状態で吹いたため、この段階でのパーツ割は車体・砲塔・車輪・防弾板の4点となる。これらに個別に下地を吹いた状態で仮組みしたのがこの写真。

2003.01.28   下地塗装 2
サーフェイサーは白色のため、この上に基本色となるダークイエローを吹くと明るくなりすぎる。また奥まった部分を手軽に処理するためにも第二下地としてレッドブラウンを吹いた。サーフェイサーを吹いた段階と同じパーツ割で個別に吹いたあとに車体に車輪を取付け、レッドブラウンが乗り切らなかった奥まった部分に筆でアクリル系のレッドブラウンを塗布した。スプレーのラッカー系レッドブラウンとアクリル系レッドブラウンでは色合いが微妙に事なるため、最後にもう一度レッドブラウンを全体に吹いている。

2003.01.29   基本色塗装 1
三色迷彩のベースとなるダークイエローを吹いた状態。薄く吹いただけなので、このあと装備品を全て取り付け再度ダークイエローを吹く必要がある。この時点でのパーツ割は車体・砲塔・防弾板の3点。写真にはないが、防弾板はメッシュ状になっていない部分にのみ下地としてメタルプライマーを塗布し、ダークイエローを吹いた。

2003.01.30   基本色塗装 2
細かい装備品を取付け、防弾板とキャタピラを外した状態で再度基本色を吹く。この段階で取付けた装備品は予備履帯、ハッチ、機銃受け、消火器、ジャッキのみである。これだけならもっと前の段階で取付けた方が一体感が出て良かったかもしれない。機銃受け、消火器、ジャッキは別途購入したメタルパーツである。このダークイエロー塗装を基本色として今後三色迷彩を施すこととなる。

2003.02.01   細部塗装
迷彩を行なう前に細部の塗装と履帯の取付けと塗装を行なう。履帯は薄めにしたエナメル系のブラックを全体に塗布。細部の塗装にはエナメル系塗料とメタルミニチュア用に希に販売されている水性のシタデルカラーを使用。

2003.02.07   仮組
三色迷彩の塗装方法と迷彩パターンに関しては現在考案中のため、とりあえず装備品類の塗装と仮組を行なう。戦車兵と砲塔の機関銃はメタルパーツ+エッチングパーツである。ドイツ戦車兵の服飾に関してはほとんどリサーチしていないため、それらしく見えるように適当に塗装してある。塗装の手順は下地にプライマー入りサーフェイサーを吹き、その上にアクリルのジャーマングレーを塗布して基本色とし、細部の塗り分けを水性塗料で行なった後、薄く溶いたエナメル系ブラックを流して影の塗装を行なっている。

2003.02.08   迷彩 1
三色迷彩の内の一色であるオリーブグリーンの塗装。大戦中のドイツ軍車両の迷彩は塗り分け方で何通りかのパターンに分類されるが、実際に迷彩を施すのは前線の兵士達であるため、全く同じ迷彩を施された車両は実質的に存在しない。(工場にて迷彩を施された車両は別)
そのため、今回はそれらしく自由に迷彩を施す方針である。ただし、IV号戦車J型は大戦末期に登場した車両であり、なおかつ今回制作している車両は厳密にはJ型とは言えないため、使用する塗料は大戦末期の色を選定したうえで、迷彩パターンはH型・J型双方の例を参考にしている。また、慣例では迷彩はアクリル系塗料にて行われるが、今回は実験の意味も兼ねてエナメル塗料にて行なっている。下地となるダークイエローとの親和性を高めるため、この段階で塗装したオリーブグリーン(XF-58)には少量のダークイエロー(XF-60)を混ぜている。この後、レッドブラウンを主としたブラウンのパターンを書き込み、迷彩は完了となる。

2003.02.09   迷彩 2
三色迷彩の内の一色であるレッドブラウンの塗装。塗装済みであるダークイエロー及びオリーブグリーンとの比率を考えながら、オリーブグリーンのパターンに沿うイメージで塗装している。塗装したレッドブラウンがダークイエローに対して色調的に強すぎた感があるので、この後のウォッシングでどの程度違和感を無くせるかが問題になりそうである。

2003.02.12   ウォッシング
薄く溶いた油絵の具を用いて全体の色調を整えるためのウォッシングを行なう。使用した油絵の具は速乾性のローアンバーで、溶剤にはぺトロールを使用している。油彩によるウォッシングは今回が初挑戦であったため誤算も多々あり、エナメル系塗料を使用した迷彩部分が若干溶けだしてしまい、結果的にウォッシングとウェザリングを兼ねたような塗装になった。

2003.02.13   ウェザリング 1
全段階で予定外のウェザリングが行われたため、筆によるウェザリングは軽く済ませている。エナメル系のダークイエローによるドライブブラシで突起部に対してのみのウェザリングを行っている。

2003.02.14   ウェザリング 2
足回りに対してパステルによるウェザリングを行なう。粉末状に砕いたパステルをアクリル溶剤で溶き、車体下部と足回りを中心に塗布している。パステルはホルベイン製のソフトパステルを使用。円筒状のパステルを削り、粉末状にしたものをアクリル溶剤に溶いて塗布している。

2003.02.15   完成
デカールを張り、全体をコートする意味でつや消しを吹いて完成となる。写真には写っていないが、デカールは背面のツェメリットコーティングがされた部位にも貼るため、マークソフターを使用している。
つや消しを吹くことで塗装面やパステルの保護と同時に、光沢を押さえて塗料ごとの反射の違いなどを誤魔化すことができる。