Kfz.70 Krupp L2H143 with 37mm PAK35/36
クルップ兵員輸送車L2H143 with 37mm対戦車砲 35/36型

2005.09.05  組立て
作ろうと思いつつ、長らく寝かせていたマッチボックスのKfz.69。
パーツ構成はシンプルながら一体成形の装備品類は立体感があり、おまけとして37mmPAK35/36・運転手・ベースまで付いてくるという盛り沢山なキットである。これだけの内容をランナー2枚で構成できる技術を持つマッチボックスが消滅してしまったのは惜しい限りである。
車体の仮組。
操縦席部は一体成形で構成され、後部の荷台は箱組である。シャーシは一体成形パーツに車軸を取り付ける方式である。
シャーシ部。
出来は大味だが、少し手を入れればそれなりに見れるものに成りそうである。写真はパーツのエッジを立てて組立てた状態。
37mmPAK35/36の防盾。
右がキット付属の防盾、左はフジミのSd.kfz.251に付属するものである。以前から思っていたのだが、フジミのこのパーツは異常によく出来ている。SSPのSd.kfz.250改造パーツなどに付属する防盾もフジミ製のコピーと思われ、海外メーカーでも評価されているようである。
どうせ作るのであればフジミのパーツを使いたい為、キット付属パーツは使用しない予定である。
37mmPAK35/36の砲身。
こちらも右がキット付属パーツ、左がフジミのパーツである。
出来はどちらもさほど変らないが、防盾との合いを考えてフジミのパーツを使用することとした。
37mmPAK35/36の砲架。
キット付属パーツをベースに鋤鍬の足と車軸を真鍮材にて作り直した。右側の可動部が作業中に破損したため、こちらも金属材にて置き換えている。
キット付属の車輪は今一つな出来である。
本来、ホイール部は擂鉢状であるが、大幅な修正は控えてボルト跡のみの再現に留めた。
37mmPAK35/36を組立てた状態。
砲身は真鍮パイプを組合せて自作した。もう少し全体のバランスに手を入れ、細部の修正を行なってこちらは完成としたい所である。
砲制御のハンドル類は軸を真鍮線で作製し、ハンドルはキットパーツを使用した。

2005.09.12  細部工作
37mmPAK35/36制作はあらかた片が付いた為、本体の作り込みに着手する。
車体は運転席・荷台・シャーシの三分割されているため、これら個々に手直しを行なう。
運転席は形は良いのだが、プラスチック成形の限界からか予備車輪のガード等に厚みのある箇所がある。削り込んで修正することも不可能ではないが、手っ取り早く作り直す方向で対処した。
適度な幅に切り出した0.2mm真鍮板をキットパーツに沿って曲げ加工した後、支柱となる真鍮線をハンダ付けしている。キットとの接合はキット側を開口して支柱を通した後に瞬間接着剤を流し込んだ。タラップ部も同様の方法で作製したが、滑り止めパターンの再現の為、ファインモールドの滑り止めパターン付きプレートを真鍮板に張りつけている。
サイドミラーの作成。
この様な細いが強度が必要となる箇所こそが金属素材活用の最適な箇所である。曲げ加工した真鍮線に真鍮板から切りたパーツと太めの真鍮線を輪切りにしたパーツをハンダ付けして作製した。
写真資料からするとこのパーツは様々な組合せ方があるようで、まず左右のミラーの固定方式が3種類程度あり、そのミラーを軸にライトや小型のミラーを取り付けている写真が多数ある。ミラーの固定方式は生産時期によるものかもしれないが、その他の小改造は現地改修の結果であるのかもしれない。
運転席周りの作り込み。
座席のシート部はプラ材にて作成。ハンドル・レバー類は全て真鍮線を加工して作製した。
真鍮線を輪状に加工することは難易度が高いことからこれまで避けて来たが、今回はチャレンジしてみた。接合部に適切な加工を行なうことと、曲げ加工に使用できる円柱材があればさほど苦労なく加工できることが分かり、今後のハンドル類作成を行なう際には役立ちそうである。
シャーシ部分は加工すべき箇所が多くあるのだが、まずは仮組ができるように車軸周りに手を入れた。
キットパーツの状態では車輪との接合部が細く車輪パーツを保持できないため、真鍮パイプと真鍮線で太さの補正を行った。
キット付属の排気管パーツ。
形状は良好であることから、排気口の手直しのみでそのまま使用できそうである。
車体前面のバンパーを作成。
曲げ加工が必要な形状であることから真鍮板を用いて作製した。現状では6割の完成度といったところであるため、もう少し手を入れてから車体への取り付けとなる。
仮組を行った状態。
残作業は運転席部のバンパー・車間表示ポール取り付け、シャーシ部のフック類取り付けとホイールのデティール追加、荷台部は細部の改修となる。

2005.10.06  細部工作2
1ヶ月近く更新が滞っていたが、作業の方はそこそこのペースで進んでいる。
車体前部の工作はほぼ完了し、写真は個別に作製していたバンパーと車間表示ポールを取り付けた状態である。
車間表示ポールは0.5mmの輪切りにした真鍮線を0.1mmの真鍮線にハンダ付けして作成した。車間表示ポールの形状には幾つかのバリエーションがあるようだが、今回は実車写真に載っていた先端が円盤状になっているものを再現した。
ヘッドライトはキット付属パーツをベースに基部を金属材と置き換え、カバー部はWAVE製アフターパーツを使用した。
シャーシ前部のフックは曲げ加工した真鍮線をプライヤーで潰して作製した。
この制作方法は某模型サイトにて紹介されていた方法であるが、形の整ったフックを作成できる効果的な技法である。
後部フックは真鍮材の組合せで作成。
写真資料から確認した範囲では、Kfz.70の牽引用フックはSd.Ah系の運搬トレーラー用の形状とは異なっており、車体側に装備された支柱に牽引物を引っ掛ける方式の様である。大戦初期の車両であるためか、牽引部破損時の修理などを考慮するとこのあたりの仕様は熟れていない印象を受ける。
ちなみにSd.Ah系の固定方式は牽引物を車体側の牽引部に挟み込み、上から支柱を通して固定する方式である。
車体前部の構成部品を全て組みつけた状態。
前部の工作は車外装備品を取り付けて完成とする予定である。
車体後部は元がそれなりの出来であったためあまり手を入れないつもりであったが、作業を進めるうちにかなりの手直しを行なう流れとなってしまった。
外装の手直しだけでかなり手間がかかり内装にはまだ手をつけていない。内装は座席周辺に重点的に手を入れる必要があり、まだまだ時間がかかりそうである。
車外装備品の一つとして作製した三角型のジェリカン。
一般的に知られている形状のジェリカンはアフリカ戦線以降に使用されたものであり、それ以前は三角形のジェリカンであったとされている。大戦初期の装輪車両等には装備例が多く見られ、Kfz.70には運転席側面と荷台下部の両端の計3ヶ所に装備されたようである。
真鍮板にて三角形の枠組みを作り、中にハンダを流し込んで制作した。そそぎ口は曲げ加工した真鍮線である。

2005.12.16  細部工作3
約2ヵ月半ぶりに作業を再開。
作業開始からは3ヵ月くらい過ぎ、作り込みが終りそうでなかなか終らない状態が続いている。
完成の遅れは別の車両に手を出していたためではあるが、願わくば年内には工作までは終らせたいものである。
レストアされた本車の写真を入手したことで詳細な運転席のレイアウトが分かり、手直しを行った。
レバー類の作り直しと配置替えを行い、ハンドル以外は固定した。塗装の手間を考えるとハンドルの固定は塗装後に行なう予定だ。
荷台に幌を張る際に取り付ける支柱の基部を作成。
実車ではリング状の固定部とストッパーで構成されたかなり複雑な構造をしているが、工作難易度と強度を考慮した結果、基部をハンダ付けした真鍮パイプをそのまま使用することとした。
基部は片側3箇所、計5箇所に配置され、3本の支柱を支える形となる。
幌の支柱を作成。
キット付属の幌のパーツを参考に金属線を曲げ加工した。大まかな雰囲気は予定通りになったが、もう少し手直しが必要に成りそうである。
この制作では資料写真を元に幌を取り付けずに支柱のみが取り付けられた状態で制作する予定である。
荷台の座席の下に弾薬ケースを設置した写真があったため、プラ材を使用して手を入れた。
適度な寸法に切り出したプラ材を張りつけ、細く切り出した真鍮板を張りつけて固定用のベルトとした。

2005.12.26  細部工作4
各種車外装備品の作成と取り付けを行なう。
備えつけの工具類は荷台側面に設置されるが、設置位置と工具の種類は生産時期や部隊ごとに異なるようである。戦場写真とレストアされた実車を参考に細く切り出した真鍮板から工具の取り付け金具を作成した。
工具類は塗装の利便性を考慮し、着脱可能とする予定である。
工具はMarsのレジン製アフターパーツを使用した。
Marsの工具類は大変重宝しているアフターパーツだが、ストックが尽きつつあるため使用は慎重にならざるを得ない。海外のアフターパーツは出来も良く使い勝手も良好であるが、入手性が悪いのが悩みどころである。
三角柱状の予備燃料タンクの作り直しを行なう。
以前作製したものは寸法面で今一つな出来であったため、採寸からやり直し、作成方法も変えてみた。寸法・表面の仕上がり共に、まぁまぁな出来といったところである。
取付用のラックも真鍮板から作製しており、固定にはハンダと瞬間接着剤を使用した。
運転席の側面と荷台の下部に予備燃料タンクを車体に取り付けた状態。
実車では生産・使用時期を問わず、荷台後方下部に工具箱とおぼしきケースが配置されている。
ケースはプラ材をベースに作成、車体への固定部は真鍮板から作成した。
タイヤはホイールの固定用ボルトのモールドが甘かった為、金属線を使用して補正している。
タイヤを取り付けた状態。
塗装の利便性を優先して固定はしていないが、おおよそイメージ通りの状態となった。
全てのパーツを組みつけた状態。
当初予定していた箇所への手入れは全て熟した為、これで作り込みはこれで完了として塗装に入る予定である。

2006.01.07  塗装
年末年始の休みを使って塗装を行なう。
塗装は利便性を優先して写真の様に分解した状態で行った。
フロントガラスは初めてマスキングゾルを使用したが、果たしてうまく行くか・・・
下地は定番のマルチプライマー+サーフェイサーである。
本車の塗装は大戦初期のジャーマングレーによる単色迷彩を行なう。
基本色はMr.カラーのジャーマングレーをそのまま使用した。
ジャーマングレー単色では色が濃過ぎる為、ジャーマングレーとニュートラルグレーの混色を数回に分けて吹いた。
写真ではあまり差が分からないが、実際にはそこそこに明度が上がっている。ジャーマングレーの単色迷彩は人それぞれの方法があり、当方はまだまだ研究中ではあるが、今回は基本色+明度を上げた基本色+ウェザリングで色調の調整を行なう予定である。
細部の塗り分けと組立てを行なう。
マスキングゾルを使用したガラス部はある程度予定通りとなったが、やはりまだまだ塗装方法を検討する必要がありそうである。マスキングゾルを剥がした後、塗装が行われなかった箇所はエナメル塗料にて塗装し、塗料があふれた箇所は溶剤にて洗浄した。
工具等の細かいパーツを組みつける。
ナンバープレートはエッチングパーツであるが、これは塗装に難儀しそうである。アフターパーツとしては魅力的なものであるが、実際の制作においてはデカールにて再現した方が正解であったかもしれない。
37mmPAK35/36は2パーツに分解できる状態にて塗装を行なう。
下地塗装。
使用した下地剤は本体と同様のマルチプライマー+サーフェイサーである。
基本色もこれまた本体と同様にMr.カラーのジャーマングレーである。
本体と合わせて徐々に明度を上げたジャーマングレーを重ね吹きしている。
Krup Protzによる37mmPAK35/36の牽引状態。
37mmPAK35/36の牽引部をもう少し作り込めば良かったとも思うが、いまさらの話なので気にしない方向で・・・

2006.05.23  
半年近く未完成のまま放置していたが制作を再開した。
基本塗装は完了しているため、色調調整とウェザリングを行ないつつ仕上げを行なう。
ジャーマングレー単色塗装の仕上げ処理は研究途上であるが、今回は油彩をメインに据えた処理を行なってみる。

まずはローアンバーをぺトロールで多少濃い目に溶き、全体に塗布する。乾燥後に顔料の残り具合を見ながらぺトロールで余剰な顔料を洗浄して全体を色調を調整した。
色調が明るくなりすぎたため、油彩で溶いたバートンアンバーを塗布した。
色合いのバランスを見つつ、同じ手順を数回繰り返して考えている色調になるまで繰り返してみる。
37mmPAKは防盾の角度が仰角過ぎた為、取り付け位置を修正した。
加工部に塗装を行ったあと、Kfz.70と同様に油彩による色調調整を行った。
対戦車砲を牽引した状態。

2006.07.02  仕上げ
作業の途上で長らく放置していたが、仕上げ塗装を行い完成させた。
油彩を用いたウォッシングの後、濃い目に溶いた油彩を使用したウェザリングを行い、全体的に埃にまみれ退色した雰囲気を出させる作業を行なう。凹部には顔料が溜りやすいことを利用して溶いた油彩をながすことで表層は薄らと埃を被り、奥まった箇所には泥が詰まった様な雰囲気を目指している。
後に行なうパステルを使用したウェザリングが難しい奥まった箇所には油彩の顔料を多めに残し、汚れ表現の下地とした。
パステルを用いたウェザリングを行なう。
汚し塗装の下処理は油彩にて済ませている為、それに合わせてアクリル溶剤を塗布してパステルを乗せた。
生乾きの段階で毛先を短くカットした筆で擦り、余分なパステルを落すと同時にパステルを広範囲に薄く伸ばしている。
アクリル溶剤+パステルのウェザリングを行なうと表面はつや消しになることを利用して、ウェザリング作業中に破損して修復を行なった箇所が不自然にならない様に調整した。
このキットは足回りが細いパーツで組み立てられている上にぺトロールを使ったウォッシングを派手に行なった為、全体的にプラの強度が落ちており、作業中に足回り他数ヶ所が破損した。
それらを修復する際にはみ出した接着剤はツヤが目立つ為、パステルで使用して誤魔化している。
37mm対戦車砲にもパステルを用いたウェザリングを行った。
足回りを重点的に汚しているが、防盾にも一度パステルを被せたあとアクリル溶剤で洗浄を行なっている。