Type 87 self-propelled anti-aircraft gun
87式自走高射機関砲

2013.10.14   砲塔分解・砲身作成
完成品の再組み立て・再仕上げとなるため、まずは構造の理解と分解から着手する。

自衛隊モデルコレクションは9号(61式戦車)頃に品質が危うくなった時期があったが、以降持ち直しているように感じる。
ただし、組み立て品質にはかなりのばらつきがあり、部品の組み付けミスや接着剤のはみ出しが目立つことも多々ある。

87式自走高射機関砲は2個購入し、組み立て精度が低い方を作り直しの対象とした。
砲塔周辺はかなり細かい部品構成となっており、複雑な形状を再現している。
部品が細かいことから、分解には細心の注意が必要となる。
底面はダイキャスト製のパーツとなっていおり、車体上面とはネジ止めする構成となっている。
74式戦車から継承した複雑なサスペンションが良好な精度で鋳造されていた。
砲塔は90度回転させることで取り外すことができる。
このあたりの構造は一般のインジェクションキットと同様である。
砲塔を分解する。
写真の状態だけで20点程となるが、部品単位では更に細かく分割されており、全体で30点近いパーツで構成されていた。

細かい部品が多いことから、分解にはかなり苦労する部分があり、破損させずに全て分解することは困難である。
主砲のパーツ。
左右一対で構成されており、軸が接着されていることで連動する仕組みとなる。
このパーツには解釈の誤りがあり、砲身の左右が逆転している。
修正するため、砲身を切り離して取り付け直す。

細いパーツであることから接着強度が低いため、真鍮線の軸を入れて強度を担保する。
砲身の先端に付くマズルブレーキを開口する。
砲口部分より径の大きいピンバイスで穴を開けて行き、マズルブレーキの埋まった箇所まで貫通させることで開口した。

砲身に沿って配線が行われているため、根本と先端はケーブルが露出している。
この部位はパーツを整形し、金属線で配線を再現した。
砲身基部に手を加える。
全体の形状は良好であるが細部の作りは甘いため、整形しきれていない箇所の作り直しを行う。
砲塔は上下のパーツで分割されている。
普通に組み立てても写真の様に段差が生まれるため、修正作業が必要となる。
修正には溶きパテを使用することとした。
パテの硬化後に余剰部分を切除し、ヤスリで表面を整える。
砲塔と主砲のバランスを調整する。

砲塔はパーツの点数が多いことから、組み上げにはまだまだ時間がかかりそうだ。

2013.10.26   対空レーダー周辺の工作
87式AWでは索敵レーダー・追尾レーダー・光学照準器が1ブロック化された 対空レーダーが砲塔後部に装備されている。
同車の特徴的な部位であり、非常に目立つ箇所でもあるため資料写真も豊富であることから、細かい箇所の再現を目的とした作り込みを行った。

まずは完成品の分解から始めるわけだが、複雑な形状をしているため構成するパーツが多く、部品を破損させずに解体するには手間がかかった。
分解したパーツの表面処理を行
接着剤の除去、パーティングライン消し、面出しなどの工程をパーツ毎に行う。
ヒケがあるパーツには溶きパテを盛った上で、面出し処理を行っている。
組み立てや塗装の工程を考慮しつつ、改めて部品を組み立ててゆく。
元の状態ではレーダーの可動は行えない作りとなっているが、パーツの構成的には可動させることができるようになっていた。
可動させるため、分解する際に破損した軸は真鍮線に置き換え、元からあるパーツ固定のための凹凸には手を加えている。
可動させるポイントは何箇所かあるが、パーツの分割が適切であるため、個々に 対処してゆくことで実車と同様の可動が実現できる。

上部の板状の部位が索敵レーダー、円形の部位が追跡レーダー、側面に飛び出したボックスが光学照準システムとなる。
レーダー収納時には追跡レーダーを180度回転させる。
次いで、索敵レーダーの基部が90度後ろに倒れることで、砲塔の高さと同じ程 度となることで収納される。
他国の同系列にあたる自走対空砲も同様の収納機構を有しており、この世代の自走対空砲としては一般的な機能といえる。
ユニット毎に手を入れてゆく。
光学照準システムはレンズ部をプラスチックレンズに置き換えることを全体に加工を行い、更に側面板の薄さを再現するために真鍮板を取り付けている。
また、追跡レーダーユニットとの接合部は分解時にガッチリと固定されていたことから強引に切り離しており、加工に伴い長さが不足していた。(元々が短く、 適切に取り付けることができていなかった可能性も高い)
このため、プラ材を使用して延長させており、真鍮線の軸を埋め込むことで差し込み固定の可動式とした。
索敵レーダーと基部に手を入れる。
元々造形されていた配線関連は切除して金属素材に置き換えている。

細かいパネル類やボルト類も金属材で再現してゆく。
レーダーの基部にも手を入れる。
実車ではこの部位の写真が手に入らなかったが、ピットロードのキットを参考に手を入れている。
追跡レーダーの基部にも手を入れる。
レーダー部は塗装後の接着を行うため、現段階では仮組みの状態を維持する。
基部のダボ穴は接合状況が良いため、仮組みでも形状を維持することができた。

2013.11.04   砲塔作り込み
砲塔背面の作り直しを行う。
レーダーが背面に倒れる構造ためか、砲塔の背面にはあまり構造物が無い。

左背面には骨組みのみのバスケットが設けられており、この部位は再現されていた。
しかし、製造上の限界からオーバースケール気味で、精密感に掛ける精度であった。
バスケットを真鍮線で作り直すこととした。
真鍮線のハンダ付けで作成するため、元のパーツを参考に寸法を算出し、切り出した真鍮線をマスキングテーブで作業台のタイルに貼り付ける。
ハンダ付けが済んだ状態。
この類の部品を作る際には、曲げ加工を行う前の直線の状態で部品を組み立て、組立後に形を調整することとなる。
砲塔背面のパーツに穴を開け、真鍮線の固定位置の精度を確認する。
この部位を起点に曲げ加工してゆくこととなる。
ハンダ付けの部位が外れない様に注意しながら、コの字型に曲げてゆく。
バスケットの蓋とステップと思われる部位を作成する。

滑り止めパターンが形成された金属板を元に固定用の部位をハンダ付けし、真鍮線の軸をパーツに差し込む形で固定する。
砲塔側面に発煙筒発射機が装備されており、初期型は3連装、後期型は4連装と なる。
このモデルでは初期型の3連装のパーツが付属している。発煙筒下部のガード部は一体成型であるた、この部位を削り落として作りなおすこととした。
ガード部は真鍮板で作成する。
元のパーツを採寸し、切り出した真鍮板を加工している。
真鍮板の部品を取り付ける。
接着剤を使用した単純な接合では強度が確保できないことから、真鍮線を差し込む形で固定した。
砲塔との接合も真鍮線の軸を用いて行う。
レーダー部を砲塔後方に倒すためのアクチュエーターを作成する。
レーダーの基部に取り付けた真鍮線を真鍮パイプに差し込む構造とした。
レーダーを倒すと写真のような状態となる。
砲塔上部のハッチ周辺に手を入れる。
元の形状は良好であることから、ハッチの取手を金属材に差し替える程度の工作となった。
ハッチ側面のペリスコープは厚みがあるため、薄く削りこんだ。
砲塔上部の視察孔ガードの薄さを再現するため、真鍮板にて作りなおした。
元パーツから当該部を切除し、採寸すて真鍮板の箱組で作成した部品と差し替えた。外枠の寸法変更に伴いペリスコープの寸法を合わせるため、プラ材を貼りあ わせて調整した。
砲塔前部の側面に取り付けられた取手を金属材に置き換える。
アンテナを作りなおす。
基部は元々のパーツを使用し、金属線で可動式とした。
アンテナの基部は真鍮パイプの積層で再現を試みた。
この方式ではスケール上の制限から、この程度の再現度が限界であった。
砲塔の組み立てはこれにて完了とした。
次は車体への工作を進める。

2014.01.26   車体作り込み
しばし間が開いてしまったが、細々と進めてきた車体の作り込み状況を説明す る。

車体のパーツは写真の通り4点に分かれており、これらに細かいパーツが取り付けられる方式となっている。
細部の部品は意外と数が少ない。
車体上部はほぼ一体成型で生成されており、車外装備品の一部は省略されていることから点数が少なくなっていると思われる。
車体底面の処理を行う。 
塗装皮膜を効率的に剥がす方法を探していたが、今回でこの問題を解決することができた。

使用した溶剤はガイアノーツのツールウォッシュ。
スーパーで販売していたパッキング入りの瓶に溶剤を入れ、中に漬け込むことで塗装皮膜が剥がれ始める。塗装は完全に溶解するわけではなく、皮膜が金属面か ら剥離する様な状態となった。
溶剤から取り出し、流水に晒しつつ歯ブラシで磨いて剥離した皮膜を全て剥がす と写真の様な状態となる。
車体上部の取手類を金属材に置き換えてゆく。
パーツ上に整形されていない部分もあることから、実車の写真を見ながら0.3mmの穴を開けてゆく。
車体後部にも同様の作業を行う。
74式戦車の構造を継承していることから、エンジンルーム上部のハッチにはかなりの数の取手が設けられており、なかなか手間のかかる作業であった。

合わせて一体成型されていた牽引用ワイヤーを切り離し、面を整える作業を行った。
牽引用ワイヤーを自作する。
ステンレス製の縒りワイヤーを使用し、フックはプラ材の円柱と真鍮線で作成した。
取手類とワイヤーの固定具を作成する。
これらは全て0.3mmの真鍮線を使用しており、ひたすら折り曲げ加工を繰り返して1つずつ作ってゆく。

牽引用ワイヤーに使用したステンレスワイヤーは張力が強いため、力のかかる方向を考えて固定具を設ける必要がある。実車の構造を模するだけでこの問題には 対処できるため、実車の構造を読み解くことが重要である。
車体前部のマッドガードは軟質素材の部品で形成されているが、厚みがあったこ とから作り直すこととした。
基部の切掛けが深いため、プラ材で隙間を埋める措置をしている。
前照灯のガードはエッチングパーツで形成されていた。
こちらも車体底面と同様の処理を行い、塗装皮膜を剥がした。
ガードの上部は滑り止めパターンが形成されている。
これを再現するため、滑り止めパターン付きのエッチングプレートをハンダ付けした。
前照灯は元のパーツが良好な形状をしていたため、レンズ部のみ手を入れること とした。
プラスチックレンズを埋め込むことが出来るよう、レンズ部をピンバイスで抉る処理をしている。
レンズは用途に応じて塗装を施す。
警告灯はアクリル塗料のクリアオレンジで塗装を行い、車体の塗装が済んだ段階で取り付けることとなる。
前照灯とガードの擦り合わせを行う。

ガードの内側への塗装を考慮する必要があることから、実際の取り付けは塗装後となる。
車体上部の工具類は整形されていないことから、アフターパーツ等を使用して再 現することとした。
自衛隊用の工具類のアフターパーツは存在しないため、他の車両向けの部品を元に改造して使用することとした。
工具類の内、スコップのみ大幅な改造が必要となった。
自衛隊の車両が装備しているスコップは柄が二股となっているため、この部位はスクラッチする必要がある。
過去の作成時の経験から、真鍮材を使用して作成することとした。
スコップの刃はアフターパーツを使用する。
アフターパーツの柄を切り詰め、作成した二股の柄を継ぎ足す形で形成した。
車体に取り付け、鉛板にて固定具を再現する。
車体後部のバスケットは枠のみ形成されている。
状態は良好で、形成上のバリのみ処理を行った。
バスケットの枠にエッチングのメッシュを貼りこむ。
操縦手ハッチはペリスコープの形状を調整し、取手を取り付けた。
車体の細部は概ね作り込みが済んだ。
あとは車体底部と上部の貼り合わせと隙間埋めをして、組み立ては完了となる。

2014.02.24   基本塗装と迷彩
基本色と迷彩の塗装を行う。
今回は可動部が多いことから、塗装時に分解するパーツ数はかなりの数となった。

塗装では履帯以外のパーツに対しては下地〜基本色までは一貫した工程で進め、迷彩を施すパーツのみマスキングと迷彩を吹く流れとなる。
作業に入る前に砲塔側面の部隊マークにマスキングを施す。
デカールの形状に合わせることは困難であることから、適度な寸法に切り出したマスキングテープを貼り付けておおよその範囲を覆う。
塗装の下地としてマルチプライマーを全体に吹く。
後の工程にて塗装が剥がれることを防ぐため、金属部品を使用した可動箇所には特に入念に吹く必要がある。
下地としてサーフェイサーを吹く。
通常のキットとは違い元々の塗装があることから、サーフェイサーで下地色を整える工程はとても重要となる。
基本色として茶色を吹く。
塗料はMr.カラーの特色セット「自衛隊戦車色」の茶色3606にタミヤのアクリル塗料であるXF-72 茶色(陸上自衛隊色)の混色を使用することとした。
これは過去の制作においてフィルタリング工程により茶系の色合いが濃くなりすぎる傾向があったことから、元の色の明度を上げることが目的である。

これまでは緑色 → 茶色の順番で塗装してきたが、今回はマスキング方法と範囲の関係から茶色を先に吹くこととした。
今回はマスキング剤として練り消しゴムを使用してみることとした。

陸上自衛隊の境界線がハッキリとした迷彩を行う方法については過去にも様々な方法を試してきたが、なかなか決め手になる方法が見つかっていない。
このため、この制作においても新たな方法を試すこととした。

練り消しゴムにも様々な製品があるようだが、手近に手に入ったバニーコルアート社のI-Z CLEANER(イージークリーナー)を使用してみた。
車体にマスキングを施す。
砲塔側面のマーキングから高射教導隊の車輌であることから、参考写真が豊富に入手できた96-5375車を再現することを前提にマスキングしている。

練り消しゴムは伸縮の自由度が高いため、小さく千切り伸ばして平面状にしたもので乗せてゆく感じで扱うと良いようである。
粘着力はさほど強くはないことから境界線部分が剥がれがちになるため、境界線上はヘラなどで押し付けて固めてゆく必要があった。
車体に迷彩色を吹く。
塗料はMr.カラーの特色セット「自衛隊戦車色」の緑色3414をそのまま使用している。
車体のマスキングを剥がした状態。
練り消しゴムを剥がす工程は非常に容易で、マスキングゾルを使用した場合の様な苦労は一切なかった。

迷彩の境界線の状態も良好で、ほぼ期待通りの結果となった。
続いて砲塔の塗装を行う。

こちらも練り消しゴムを使用したマスキンを行うが、広い面や細かい部位を覆うためにマスキングテープを併用している。
砲塔にも車体と同様の緑色を吹く。
砲塔のマスキングを剥がした状態。

こちらも上々の仕上がりで期待した通りの迷彩となった。
砲塔の各パーツを組み立てる。

砲塔は可動部が集中するため塗装の剥げに気をつけながら組み立てを進めたが、数カ所の傷は付いてしまった。
この段階での傷は筆塗りでの修正が効くため、後の工程にて修正を行うこととなる。
墨入れを行う。
エンジンルームの吸気口とメンテナンスハッチを中心に希薄したエナメル塗料のフラットブラックを流している。
工具類を塗り分ける。
下地に侵食しないよう、タミヤのアクリル塗料 XF-74 OD色(陸上自衛隊)を筆塗りした。
転輪の塗り分けを行う。
こちらはファレホの水性塗料を使用している。
前照灯の内側を塗装する。
レンズをはめ込む前に裏面にシルバーを塗装することで、レンズの透明感を再現することができる。
前照灯にレンズをはめ込む。
レンズの固定には瞬間接着剤をしようしているため、若干白化する状態となってしまった。
射撃レーダーの光学センサーにも同様のレンズを取り付ける。
透明のレンズにアクリル塗料のクリアブルーを塗り、所定の位置に固定する。
組み立てと基礎塗装が完了した状態。
この後、マーキングを施し、フラットのスーパークリア吹いた後に全体の色調を調整する工程を進める。

2014.03.05   仕上げ
塗装の仕上げ工程に入る。
希薄したエナメル塗料のブラックを流して墨入れが完了したため、この色合をベースに細部の仕上げを進める。
車体番号と桜マークを付ける。
今回は高射教導団の車輌である「96-5375号車」とすることにした。

デ カールはアオシマの60式自走106mm無反動砲に付属するものの余りを使用している。陸上自衛隊の車体番号は、戦闘車両は白一色、支援車輌は黒枠の白抜 きとなっており、60式自走106mm無反動砲が発売されたことにより戦闘車両用のデカールにも不自由することがなくなった。
車体後部背面にも車体番号を入れる。

先頭の「96-」までは1枚のデカールで、残りの番号はフリースタイル用のデカールを使用している。
フリースタイルの番号は既存デカールの乾燥を待ちながら一枚ずつ貼ってゆくため、非常に手間がかかるのが難点ではある。
部隊章を修復する。
元々高射教導隊のマークが付いており、これを塗装前にマスキングしたのだが、細かい箇所はマスキングできずに基本色で潰れてしまった。
残存した部位を元に筆塗りでマークを修復する。

このような細かい塗装にはファレホの水性塗料が適しており、やや固めに溶いた塗料を面相筆で乗せてゆく。
ウェザリングにより墨入れや塗り分け部の塗料が溶け出すことを防ぐため、全体にスーパークリア(つや消し)を吹く。
元々がつや消しの塗料であっても希薄した塗料を全体に流すと艶が出てしまうため、この工程により皮膜の保護とつや消し処理をまとめて行うこととなる。
履帯を塗装する。
このシリーズでは軟質樹脂製の履帯が使用されているが、塗料の乗りが良いことから下地処理は必要ない。

Mr.カラーのウェザリングカラーセットに含まれるマッド(泥)を全体に吹く。
履帯は突起部や転輪が触れる部位には泥汚れが残りにくいため、溶剤を含ませた綿棒で摩耗する箇所を中心に塗料を剥がす処理を行う。
履帯を取り付ける。
履帯パーツの長さにはさほど余裕がないため、千切れないように注意しつつ、起動輪・転輪・誘導輪の順番ではめ込んでゆく。
上部転輪がない本車の場合、履帯は転輪に沿って弛みが発生する。
これを再現するため、転輪上部と履帯の接地面を瞬間接着剤で固定することとした。

瞬間接着剤を付けた後、車体と履帯上部の隙間に詰め物を押しこみ、履帯と転輪が固着するように固定する。
一晩乾燥させ、詰め物を取り外した状態。
転輪に沿った履帯の弛みは十分に再現出来たと思われる。
ウェザリングを行う。
車体の汚れは土汚れがほとんどであるため、エナメル塗料の溶剤で希薄したフラットアースとダークイエローの混色をポイントを抑えて乗せてゆく。
乾燥後、ウェザリングパステルを使用して車体側面の汚れを追加した。
車体の底面にもウェザリングパステルによる汚れを付ける。
ペリスコープの色合いを再現する。
定番の手法ではあるが、偏光フィニッシュのブラウンを使用することとした。
ペリスコープにファレホのつや消しブラックを筆で塗り、適度なサイズに切り出した偏光フィニッシュをはりつける。
操縦手ハッチにも同様の処理を行う。
砲塔上部にはハッチ下部の左右に二対のペリスコープがあるため、こちらにも同様の処理を行う。
細部の仕上げを済ませ完成とした。
元々の組み立て済みモデルの出来が良かったこともあり大改造は必要がなかったが、完成までに2ヶ月半もかかってしまった。

作り込みや改造についてはさほど目新しいことはなかったが、長らく再現方法を探っていた陸上自衛隊の2色迷彩の再現については今回の作成で目処が立ったと思われる。
また、塗装後の色調バランスの維持についても従来方式の問題点であった迷彩が埋没する傾向を抑えることにも成功したと考えている。