Sd.kfz.101 Panzerkampfwagen I Ausf.A
I号戦車 A型

車両概要

I号戦車A型は再軍備後のドイツ軍が最初に正式化した軽戦車である。
軽戦車の車体に採用されたヴィッカース=アームストロング社(英)のトラクターを元に1932年から研究が開始され、同年中に試作車が完成。1933年より戦車型の生産を開始し、1935年の再軍備宣言を期にSd.Kfz.101 I号戦車A型の正式名称が付与された。
1936年には評価試験を兼ねてスペイン内戦へ送られるが、本来は要員訓練と生産技術津習熟を目的に設計された戦車であったため、火力・防御力が不足しており、この段階で早くも実戦に耐えられないという問題が顕在化していた。
ドイツ軍の戦略構想上は中戦車(III号戦車)と支援戦車(IV号戦車)が主力戦車であり、I号戦車は訓練用としての位置づけであったが、主力戦車の数が十分に揃う前に戦端(ポーランド戦役)を開いてしまったため、数の不足を補うため実戦へ投入されることとなった。
開戦直前の軍の進駐から対ソ連戦までの初期の戦闘には全て参加しており、北アフリカなど局地での戦闘にも使用されている。
1936年6月までに818輌が生産されたが、エンジンの出力不足や走行性能の問題などがあり、1935年8月からは改良型であるB型へ徐々に生産は移行された。
A型をベースとした派生型は工作車弾薬運搬車対空戦車が存在する。
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使用キット 1/76 Sd.kfz.101 Panzer I Ausf. A Light Tank (Milicast BG94)

使用するキットはI号戦車A型の量産型をモデル化したMilicast Modelsのレジンキャストキットである。
数年前よりリリースされている「バトルフィールドシリーズ」に属するキットで、同社が従来リリースしていた細かい部品割がされたキットとは異なり、一体成型で作られた製品となる。
本来はフジミのI号戦車B型をA型に改造するための採寸用として購入したものだが、同形状の砲塔を持つ地雷処理車を作成する傍ら、手軽に完成しそうであったため手を付けることとした。
成型の精度は非常に高く、Cromwell Modelsのキットに匹敵する水準と言っても過言ではないと思われるが、鋳造時にレジンの充填が不足してスカスカになっている部分と大きな気泡がモールドを損ねている箇所があるため、これらを補修・作り直しをしつつ仕上げる必要がある。
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参考資料
imgアハトゥンク・パンツァー第七集 I号戦車・II号戦車と派生型編大日本絵画
imgPanzer IBronekollektsiya
imgPzKpfw I vol.I(No.226)Wydawnictwo Militaria
imgドイツ軍軽戦車 1932-1942(世界の戦車イラストレイテッド 18)大日本絵画
imgWEHRMACHT PANZER DIVISIONS 1939-45 国防軍装甲師団リイド社
imgドイツ軍車両の塗装とマークサンデーアート社