Sd.kfz.140/1 Aufklarungspanzer 38(t) 20mm KwK38
38(t)偵察戦車 20mm KwK38装備型

車両概要

38t偵察戦車は38t戦車の車体をベースとした偵察用戦車である。
ドイツ軍における偵察用車両は長らく装輪車両が主流であったが、ロシア戦の戦訓から走向性能の高い半装軌式のSd.kfz.250シリーズが採用され、さらに軽戦車をベースに偵察戦車が生産された。
本車は38t戦車の車体にSd.kfz.234/1装甲車の砲塔を搭載しており、これに伴い車体上部が伸張されて車体の全高が高くなっている。また、本車の武装は砲塔の20mm機関砲KwK38と同軸のMG34もしくはMG42機関銃が一艇となっており、38t戦車で装備されていた車体正面のMG34は取り外されている。

生産総数50両(70両という説もある)という以外に写真も含めてほとんど資料が残っていないが、以下の写真から分かる通り武装や伸張された装甲部の形状が異なるバージョンも存在したようである。

本車には短砲身75mm対戦車砲 L/24を装備させた車両(写真:Model 1Model 2Model 3)も存在した。こちらは現存する写真から見て2種程制作されたようであるが、試作止まりの車両であったとされている。
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使用キット 1/76 38(t)軽戦車 プラガ(フジミ W.A.4改造)

38t偵察戦車のキットは1/35(VMモデル製)と1/72(Attack製)が存在する他に、ガレージキットで1/76(Millicast製)が存在する。
今回は1/72のキットを参考にフジミ製の1/76 プラガ(38t戦車)をベースとして制作を行なう。

左の写真はフジミ製の1/72 プラガ(38t戦車)である。古いキットではあるが、フジミ製ならではの繊細なモールドが目を引くキットで、38t戦車の特徴であるリベットで組み上げられた車体を良く再現している。キットの形状からA〜D型を参考にしたモデルであると思われる。

右の写真はAttack製の1/72 38t偵察戦車である。Attack車は38t戦車系列の車両を多くキット化しており、これもその内の一つである。キット内容は他の38t戦車系列との共通パーツと偵察戦車特有のパーツ、そして砲塔上部のメッシュ部用のエッチングパーツが含まれている。
海外キットの常である大味な作りのキットではあるが、全体のバランスの参考として使用するのでさほど問題はないと思われる。
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参考資料
imgPANZERTRACTS No.11-2 AufklaerungspanzerwagenPanzer Tracts
imgドイツ軍装甲車両と偵察用ハーフトラック 1939-1945(世界の戦車イラストレイテッド 20)大日本絵画