Sd.kfz.186 Panzerjager Tiger Ausf.B "Jagdtiger" Eary Model
ティーガー戦車駆逐車 B型(初期型)ヤークトティーガー

車両概要

ヤークトティーガーは第二次大戦中のドイツ軍において量産された駆逐戦車の中では最も大型かつ強力な車両である。
本車はティーガーIIと並行開発されたため、ティーガーIIと同様に1943年中に生産仕様が策定・発注がなされたが、他の生産計画による圧迫で初の生産車が完成したのは1944年2月であった。最小で82両、最大で100両程度が完成したとされているが、大戦末期の混乱から正確な生産数は不明である。
本車の分類は駆逐戦車であるが、それまでの待ち伏せ攻撃を前提とした低姿勢の駆逐戦車類とは異なりティーガーIIと大差のない寸法の大型車両である。主砲には試作重戦車であるマウスの主砲(55口径12.8cm戦車砲)が使用され、前面の装甲厚は250mmと当時の戦車の中でも屈指のスペックを誇っている。しかしこれらの重装が仇となり機動性能は著しく悪く、最高速度38km/h、航続距離170kmとティーガーIIのスペック(最高速度 42km/h、航続距離 250km)を下回るものとなっている。
本車は生産数こそ少ないものの生残った小数がアメリカ・ロシアの軍事博物館に保管されている。また、数年前には第512重戦車駆逐大隊が降服した際の記録映像が公開され話題を呼んだ。
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使用キット 1/76 ドイツ重駆逐戦車 ヤクトティーガー (フジミ W.A. 2)

使用するキットはフジミ模型の1/76戦車シリーズで2番目として1970年代にリリースされたものである。
当時のリサーチ不足か営業判断かは不明だが同シリーズNo.1のティーガーIIと車体が共通化されているため、実車より車体長が短いという致命的な問題がある。このキットを制作する上ではこの点の修正が大きな課題となることは間違いない。
同じフジミ模型からは車体長が正確な旧ニットーのキットも販売されているため、寸法の正確な模型を作るという観点からはこのキット選んであえて火中の栗を拾うことも無いのだが、過去も含めてこのキットを制作したことがないという事情と車体長の修正方法を明記したサイトが見られないことから制作に踏み切った。
今回はアフターパーツとしてアルミ挽き砲身と、特別パッケージ版で発売された旧ニットーキットに付属していたメタル・エッチングパーツを使った制作とする予定である。
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参考資料
imgアハトゥンク・パンツァー第六集 ティーガー戦車編大日本絵画
img第2次大戦AFVファイル Vol.2 33B型突撃歩兵砲、ブルムベア&ヤークトティーガーガリレオ出版
imgTiger in actionSchiffer Military History