M270 MLRS JGSDF Model
M270 MLRS(陸上自衛隊仕様)

車両概要

M270 MLRS(Multiple Launch Rocker System)はアメリカ陸軍が開発した自走多連装ロケット砲である。
東西冷戦時、東側諸国よりも機甲戦力の数で劣る西側諸国が榴弾砲よりも広範囲を面制圧できる火力支援兵器として開発を始め、1982年より配備が開始され た。奇しくも配備開始から数年後には冷戦が集結してしまったが、その後の中近東を舞台とした戦争で効果が実証され、計16ヶ国にて1,300両以上が運用 されている。(一部退役させた国も存在する)
機能としてはコンテナ化されたロケット弾の自走式発射装置であり、発射後はコンテナの換装によりロケット弾を再装填する仕組みとなっている。 当初、弾頭は小爆弾を内蔵したクラスター方式のロケット弾(M26)が主流であったが、無誘導の小爆弾の不発弾が地雷化する問題と耐用年数の超過により、2008年頃より精密射撃が可能な単弾頭ロケット弾(ATACMS)に切り替えが進んでいる。

陸上自衛隊では1992年より特科部隊(砲兵隊)へ約100両が配備され、海岸線へ上陸した敵軍の制圧に使用される。
他の自衛隊車輌と同様に車体は国内メーカーにてライセンス生産を行い、情報処理装置システムや各種装備品は自国生産の機材に置き換えがなされている。 これにより一部の仕様が他国に配備された車体とは異なっており、外見上の識別が可能である。
ロケット弾本体はアメリカからの輸入に頼っていたため、アメリカにおけるクラスター弾の生産終了に伴い、自衛隊へ配備された車輌もM31 GPS誘導ロケット弾への切り替えが進んでいる。
img

使用キット AMERCOM 1/72 M270 Multiple Launch Rocker System - 2003

使用する製品はポーランドのAMERCOMがリリースしているアメリカ軍仕様のMLRSで、 これは組み立てキットではなくダイキャスト製の完成品となる。
MLRSは知名度が高い割にキット化には恵まれておらず、ミニスケールではこのダイキャストモデルが製品化されている唯一のものであった。
キットは全てダイキャストというわけではなく、キャビンと荷台のみが金属でできており他の部位はプラスチック製となっている。 これらは全てネジ止めされているため簡単に分解することができ、分解した状態で個々のパーツ精度を高めつつ、 陸上自衛隊仕様に変更する方針で作業を行うこととする。
img