年末を過ぎてから多忙を極め、ブログを更新する余裕すらありませんでした。

どうにか期末までの仕事の目処が付きましたので、そろそろ更新を再開して行きたいと思います。

 

昨年末以来の記事となりますが、3ヶ月前から世界は大きく動き様変わりしてしまいました。3ヶ月前はコロナウィルス禍がトップニュースでしたが、現在は2月24日から始まったロシアによるウクライナ侵攻で一色という状況です。

昨年後半以降、チャイナを中心とした大陸国家群に対する経済封鎖が取り沙汰され、鉄のカーテンが降りる(=第二次東西冷戦が始まる)との言説が出てきていましたが、ロシアの軍事行動によりこれが一気に加速しました。現在は対ロシア制裁という形の経済封鎖が進んでいますが、次の局面は誰がロシア側に付くのかを見極めることが重要であると思われます。

また、この数年の間には中東地域を中心に戦争や武力紛争が繰り返されましたが、欧州地域で本格的な戦争状況になるのは随分と久しぶりであると様に感じます。しかし、ことロシア国境に目を向けると2008年にグルジアとの間で発生した南オセチア紛争、そして2014年にウクライナとの間で発生したクリミア危機と定期的に軍事的な衝突が発生しており、潜在的には今日の事態は必然であったのかも知れません。

 

◆情報源の精査

今回の紛争が始まってより我が国において流れる情報と西側メディアの情報は特定のベクトルで埋め尽くされてしまい、実情が見えにくくなっていると感じています。しかし、中東における武力衝突と違い、今回は官民共に情報インフラがある程度整った地域で発生した事態であることから、公開情報から戦況を見ることが出来るようになって来ています。今後の戦争における民間による新しい情報戦のあり方として参考になる事案となるのでは無いかと考え注視しています。

 

私が戦況を推し量る情報源として使用しているのは、「Ukraine Control Map」です。

これはOSINT(公開情報による情報収集)の結果をGoogle Map上に自動的にマッピングする構造となっており、各メディアの情報だけではなく現地人のTwitterやTelegramの情報もソースとして活用しています。メディアでは絵になる映像や写真が中心となりますが、民間からの不規則な投稿を取り込むことによりメディアよりも細かい情報にアクセスする手段を提供してくれています。

 

開戦当初からこの情報を見ていましたが、3月2日以降は定点観測的にキャプチャを残してみることにしました。メディアに流れる情報と突き合わせて見ると情報精度には遜色なく、速報性ではむしろ上回る場合があります。

2022-03-02の状況 2022-03-18の状況

機械的に情報を集めてマッピングするということは、情報発信側の色が付き難く、情報ソースの母数が多いほど精度が上がるのではないかと思われます。しかし、この様な情報が手に入るということはウクライナの情報インフラ(電気・通信)が破壊されていないことが前提となりますので、戦況が悪化してこれらのインフラが破壊されると、状況は戦場の霧に飲み込まれることになるでしょう。