本業の関係で、一週間程度の海外出張に行っていました。

行き先は東欧のバルト海に面した国「ラトビア共和国」です。首都にて国民の1/3が居住している「リーガ市」は新市街と旧市街に分かれており、中世の佇まいを残した旧市街は世界遺産として登録されています。

教会の尖塔からは旧市街を一望できます。写真の中央にある半円のドーム状の建造物は市場ですが、元は飛行船の格納庫として作られた建物です。

旧市街には歴史軍事博物館があります。元はリーガ市の外壁に組み込まれていた火薬塔ですが、博物館の一部として改修されています。

ラトビア共和国の歴史は13世紀のキリスト教化以前と以後で分かれており、この博物館では13世紀以後の遺物を展示しています。

バルト三国はリーフラント/クールラントの成立後(1629)、ロシア併合(1730)、独立(1918)、ソ連占領(1940)、ドイツ占領(1941)、ソ連占領(1944)、独立(1990)という歴史を経てきました。故に、近代はロシア・ソ連系とドイツ系の遺物が多数収蔵されています。

近代戦の遺物としては、世界最初の全自動式機関銃である「マキシム機関銃」が多数展示されています。まずは基本的な形状である、歩兵が牽引して使用するモデルです。

こちらは高さがある銃架に設置されたモデル。

こちらは車載(?)した状態です。

こちらは型式不明の三脚に取り付けられた別の機関銃です。

ホッチキス Mle1914重機関銃ではないかと思いますが、複数の火器を組み合わせて展示されています。

第二次世界大戦の展示物の中には、ドイツ・ロシア両方の火器が展示されていました。MG42機関銃、MP40短機関銃、DP28軽機関銃などが展示されています。

 

博物館の廊下には対戦車砲が展示されています。ドイツ式の3.7 cm PaK 36 L45とソ連式のM1932(19K)が並んで展示されており、違いを見比べることができます。

第二次世界大戦の展示の最後に、寄せ書きをされた日章旗が展示されています。

この博物館に至った経緯を人づてに聞いたところでは、第二次大戦後にソ連によるシベリア抑留を受けた日本人を治療したラトビア人医師に対して贈られたものということでした。