11月18日~20日の間に幕張メッセで開催された「DSEI Japan 2019」を見に行ってきました。

国内で開催される国際的な防衛装備品の展示会はこれが初となります。本業の関係で案内を頂き、丁度仕事の合間を作ることが出来たため最終日の20日に行くことができました。

他の展示会と同時開催でしたが、会場の入口には特に案内はありませんでした。内容が内容だけに、参加登録には顔写真と身分証明書の登録が必要で、さらに審査が行われる方式となっていました。

国内外の民間企業の展示のみならず防衛装備庁も大きなブースを出しており、会場奥には現役装備の展示も行われていました。

今年は10TKを16MCVを見るチャンスが幾度かありましたが、ここまで近づいてみる機会はありませんでした。屋外展示と異なり、しっかりと清掃された車両は細部が見分けやすいため、なかなか参考になりました。

珍しい展示物としては、10式雪上車がありました。特徴的な履帯の構造などもつぶさに観察することができました。

三菱重工のブースでは8輪装甲車が展示されていました。これは装備化されたものではなく8輪装甲車のベース車体として作成されたもので、展示されていた車両は兵員輸送用(操縦3名、搭乗8名)として試作されたものだそうです。

この車体は16式機動戦闘車のベースとしても使用されており、今後も派生型を展開する計画があるようでした。

 

会場の隅で07式機動支援橋が展示されていました。こちらもなかなかお目にかかれない機材でしたので、初見時に何かわかりませんでした。

 

海外のイベント会社が企画・運営していることから外企業の展示も多数あり、標準言語は英語でした。写真撮影不可のブースもありましたので、あまり詳しい内容は掲載できませんが、国内外のトレンドや今後の展開について参考になりました。

国内初の防衛装備品の展示会であったためメディアでも取り上げられていましたが、かなり勘違いされた説明がなされている様に思われます。年間の防衛費は5兆円ありますが、その半分は人件費、残りの半分は既存装備の月賦払い、残った1/4で装備の調達・研究と各種活動費用が賄われています。この程度の予算では装備品を提供する企業が利潤を得ることは難しく、多くの企業が持ち出しで頑張っているという現状があります。

防衛装備の輸出は解禁されましたが未だに実績がありません。このため、今回の様なイベントは国外に発信すると共に、国内企業が海外企業の活動を勉強する良い機会になると思います。個人的な感想ですが、国産の防衛装備は繊細過ぎると感じています。日本人と同じレベルの扱いと整備が必要になる機材では、おおざっぱな海外では稼働率を維持できないと思われますので、国外に展開するには雑な扱いにも耐えられる機材の研究が必要ではないかと思いました。

国情に合わせた装備をリーズナブルに調達・維持するには国内企業からの調達が最適解と思いますが、国内の需要規模では産業として立ち行かない現状は早急に打破する必要があると思います。この様なイベントを通して少しでも現状改善が進むことを期待します。