IBG ModelsのIV号戦車D型(熱帯地仕様)の仕上げを行います。

ドイツ・アフリカ軍団の塗装は経験が少ないため、試行錯誤しながら仕上げを進めました。今回はD型TP仕様ということで、工場出荷時から基本塗装は現地向け塗装である前提で進めます。仕上げの方向としては、Mr.ウェザリングカラーの塗り重ねで色調を変えていく方式となります。

まずは基本色に対するMr.ウェザリングカラーの特性を調べるため、サンディウォッシュとグレイッシュブラウンを乗せて色合いのバランスを確認します。この結果を踏まえ、グレイッシュブラウンで塗装の均一面のバランスを崩し、サンディウォッシュでメリハリを付ける方向で進めることにしました。

本格的に色調を調整する前に、塗料の剥げと錆の表現を乗せてエッジの強調を行います。

人が触れる箇所と突起部の先端を中心にジャーマングレーを筆塗りで乗せ、ジャーマングレーと基本色の境界線付近に錆を乗せます。

ここからが仕上げの本番になります。まずは明度を高めたいポイントに塗料を乗せ、薄め液でぼかして行きます。

サンディウォッシュとグレイッシュブラウンを交互に乗せ、色調のバランスを決めていきます。

途中でシャイドブラウンを乗せて凹部を強調します。シェイドブラウンとグレイッシュブラウンは相性が良いので、薄め液を使い境界線のバランスを調整します。

サンディウォッシュも単色では明度が高すぎることから、グレイッシュブラウンを混ぜ合わせて明度を落としつつ使用します。薄め液を使用してバランスを見ながら色の溜まる箇所を決めていきます。この二色は混ぜ合わせることができますので、水彩画の様なグラデーションを付けることが出来ました。

フェンダーの滑り止めパターンの強調にはシャイドブラウンを使用してみました。この色は見た目に反して定着する色合いが薄いため、軽めの墨入れなどにも適した塗料であると思われます。

仕上げ前と後を比べるとこの様な差になりました。汚しが強すぎでマーキングが見えなくなってしまったのは完全に誤算ですが、それ以外は予定していたイメージの範囲内に落とし込むことが出来たと思います。

白系のマーキングは重ね塗りで潰されてしまうことが分かりましたので、デカールを貼るタイミングの調整で回避する必要がありそうです。

塗料の剥げによるエッジの強調でメリハリは付けられましたが、底面などの暗部に対する塗装は研究の余地がありそうです。足回りは履帯の平面にはシルバーの塗装を行った上でサンディウォッシュを中心に色調を調整してみました。

今回は試験的に塗り方を調整してみましたが、思いの外良好の結果となりました。DAKの迷彩にはいくつかのパターンがありますが、色のバランスの調整方法としてはなかなか有効な手法であると思われます。