昨年の夏に天皇陛下が御譲位の御意向を示されてから議論が続いていましたが、平成は皇期2679年(平成30年)までとし、皇期2680年からは新しい元号とする方向で議論がまとまったとの報道がありました。
新元号は平成31年元日から 皇室会議を経て閣議決定へ 法案提出は今年5月連休明け
天皇陛下が在位30年を節目として譲位を希望されていることを受け、政府は、平成31(2019)年1月1日(元日)に皇太子さまの天皇即位に伴う儀式を行い、同日から新元号とする方向で検討に入った。国民生活への影響を最小限とするには元日の譲位が望ましいと判断した。譲位に伴う関連法案は、有識者会議の報告と衆参両院の論議を踏まえ、5月上旬にも国会に提出する見通し。譲位は「一代限り」として皇室典範改正は最小限にとどめる方向で検討を進める。
複数の政府関係者が明らかにした。譲位の日時に関しては「○年以内に政令で定める」として法案に明記せず、皇室会議を経て閣議決定する方針。
具体的には、平成31年元日、国事行為である「剣璽等承継の儀」(三種の神器等引き継ぎ)と「即位後朝見の儀」(三権の長らの初拝謁)を宮中で行い、官房長官が速やかに新元号を発表する方向で検討している。
皇位継承に伴う重要儀礼である大嘗祭は、準備に半年以上を要するため、平成31年11月にずれ込む見通し。皇位継承を内外に示す国事行為「即位礼正殿の儀」は大嘗祭の前に行われるという。
天皇陛下の譲位に関する有識者会議(座長・今井敬経団連名誉会長)は1月23日に論点整理をまとめる。「一代限り」で譲位を可能にする法整備を求める内容になるとみられる。
これを受け、衆参両院は譲位に関する議論を始める方針。国会での議論を受け、有識者会議は3月中に最終報告をまとめる。政府が国会に法案提出するのは、5月の連休明けになる見通しだという。
安倍晋三首相は6日、菅義偉官房長官、杉田和博官房副長官らと譲位に関する法整備をめぐり協議した。皇室典範に関しては、付則の一部だけを改正して特例法で対応するか、本則一部も改正するか、政府内で意見が分かれている。
皇室典範は終身在位を基本とし、譲位を想定しておらず、譲位後の称号や住居、葬儀なども定める必要がある。このため、政府は、皇室経済法や宮内庁法などの一部改正も視野に入れており、譲位関連法案としてパッケージで国会に提出することになりそうだ。
憲法4条は「天皇は国政に関する権能を有しない」と定めており、「天皇陛下のご意向」を憲法違反にならぬ形でどのように反映させるかも焦点となる。◇
■皇室会議 皇位継承や婚姻、皇籍離脱など皇室に関する重要な事項を合議する国の機関。皇室典範に定められる。首相が議長を務め、皇族(2人)、衆参両院正副議長、最高裁長官、宮内庁長官ら10人で組織される。
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※おことわり 譲位に関する特別措置法は、特例法に表記を改めます。
この方向で進むと、明治(45年)、大正(15年)、昭和(64年)、平成(30年)となりますので、平成は期間としては長くもなく短くもないという印象を受けます。改めて見比べてみると昭和が特に長かったということが分かりました。
明治以前は在位とは関係なく数年で元号を変えていたという事例もありますので、譲位よる改元は明治以降の仕来りに法った考え方であると思います。
なお、今回の譲位のことを「退位」「生前退位」などと称しているメディアが多いようですが、これは不敬極まる言い方であると思います。
位を譲る行為が「譲位」であり、現在検討されていることは「譲位」にあたります。
「退位」には幾つかの使い方がありますが、譲位した後の上皇は「退位した陛下」という扱いとなります。しかし、歴史的には位の簒奪による「廃位」を正当化するために「退位」という言葉を使うことが多いため、今回の事例では間違ってはいなくても不適切というところであろうかと思います。
平成はあと2年と言われても実感が湧くものではありませんが、時代の境目に立ち会うという意識はして行きたいと思います。