外出ついでに、注文しておいた商品を受け取りに行きつけの模型屋へ行きました。
商品が用意される間に店内を眺めて、面白い商品を見つけました。
Armoryというウクライナの模型メーカーが製品化した、12.7mm機関銃の4連装対空機関銃架 M45の1/72スケールキットです。
あまり見かけないメーカーでしたので調べて見ましたが、主に航空機系の模型とアフターパーツを製品化しているようです。
メーカーサイトにはM45の製品情報が無いのですが、他にも1/72スケールのM135ミニガンなどもありました。
開封してまず驚いがのは、イラストが印刷されたパッケージと思われが箱は単なる皮で、中は汎用な白箱でした。
キットのパーツは、プラ・レジン・エッチングと複合素材で構成されていました。
1/72スケールで再現するには細かいパーツが多いことから、再現性を担保するためにはこの様な方式しかなかったのかも知れません。
機銃架の主要なパーツはプラ材となっています。部品の面に付く独特の文様から、原型は3Dプリンターで作成されているのではないかと思われます。
最も繊細な機関銃部分はレジンキャストのパーツとなっていました。銃身部分が金属の挽物であれば完璧かと思いましたが、コスト的にはこの様な形にならざるを得ないのかなと思います。
エッチングパーツはポイントを絞った構成となっています。品質は良好かと感じます。
インストは思いの外ページ数が多く、海外製キットにしては丁寧な説明になっていると思いました。
細かいデカールが多いので、塗装とマーキングには専用のカラー資料がついていました。
全体としては丁寧なキットであると思いましたが、問題が無いわけではありません。
機銃架のパーツでは問題が無かったのですが、一部のプラパーツでは酷いヒケが出ていました。これはモールドを巻き込んで凹んでいますので、修正するのは結構大変だと思います。
部品の一部は、金属線を使って自作すうようにとの指示が出ていました。
自作すること自体は問題ないのですが、せめて太さの指示くらいは書いてほしいところです。
自衛隊では、前身である警察予備隊の際にアメリカよりM16対空自走砲として供与され、本車の退役後は機銃架の部分だけ陣地防御用の装備として使われました。1軸2輪のM20 トレーラーに積載したものをM55機関銃トレーラーと呼称し、陸上自衛隊と航空自衛隊で基地の防空装備として配備されたそうです。
現在はVADS(バルカン対空システム)の配備に伴い、現在は予備装備として保管されているそうです。
まだ現存はしていますが表に出てくることはほとんど無い様で、ネットで調べる範囲ではほとんどヒットしませんでした。唯一出て来るのは以下の動画でした。
これは宮崎県の航空自衛隊 高畑山分屯基地で公開された際のものだそうです。
本来の4連装ではなく2連装での展示となっています。M2重機関銃は20発/秒に近い連射性能を持っていますので、2連装にするとかなりの迫力になります。4連装で対地射撃に使用した朝鮮戦争でミートチョッパー(挽肉機)という渾名を付けられた理由が分かる気がします。
この動画だけでも、いくつか分かる事があります。
銃架とトレーラーは退色したOD色、航空自体のマーキングなどは見られません。トレーラーは車輪が外されている様に見えますので、どの様にして移動させているのかが謎です。
弾薬ケースは緑系の塗装がされており、「13警」と書かれている様に見受けられます。これは高畑山分屯基地に所在する西部航空警戒管制団隷下の部隊「第13警戒群」の所属ということかと思われます。
隊員の迷彩は「航空野戦迷彩作業服」で基地防衛の部隊が装備している様です。陸上自衛隊の迷彩服とは色も柄も異なりますが、これは遠距離からの視認性低下を目的としたものであるそうです。
他に資料がありませんので、これらを元にどの様に作るか考えてみようと思います。