2018年の半ばに購入したタブレットPC(ONKYO TW08A-87Z8)を久しぶりに起動したら事故が発生しました。
スタンドに立てて映像を再生していた際に、ふと見たら筐体から画面が剥離した状態になっていました。
原因はリチウムイオンバッテリーの膨張により内側からタッチパネルモニターが押し上げられ、筐体のロック機構と密閉用の両面テープが剥がれ写真のような状態になっていました。
2018年の購入時点で型落ち感のあるスペックの製品でしたので、案の定既に販売終了となっていました。保証期間も1年程度ですので修理するとなると有償修理となることから、これは諦めて廃棄の判断となりました。どうせ廃棄するならということで、剥離した部分から筐体をこじ開けて中を見てみることにしました。
中身は以外と簡単な構造をしており、筐体の2/5程度が基盤、3/5はバッテリーモジュールとなっており、バッテリ部分はコネクタ接続、バッテリー本体は両面テープで筐体に固定されていました。ここまで分解してみて、ノートPCの様にバッテリーを外せば動くのではないかと思い立ちました。
しかし、タブレットPCのUSBケーブルでの給電は充電回路を経てバッテリーへの給電となり、基盤に対しては常にバッテリーの出力回路を経由して給電される構造となっていました。このため、バッテリーを外してUSB給電するだけでは途中の充電・出力回路が無くなってしまうので基盤は起動できませんでした。この問題を解決するには、バッテリーの代わりになる外部電源を用意する必要があります。
そこで、バッテリーに付属している制御基板を利用して、外部からUSBケーブルで給電できないかと考えました。その観点から検索を掛けてみると、全く同じことを考えて実践した人たちの記事や動画が大量に出てきました。
一番分かりやすかったのがこの動画です。
基礎的な電子回路の知識があれば、作業の内容から何を何処に繋げばよいのかが一目瞭然。もちろん、機種によってはこの方法では対応できないケースもありますが、元にしているNexus 7の構造とTW08A-87Z8はほぼ同じであることが読み取れましたので、この動画を参考に工作してみました。
バッテリーから制御基板を取り外し、適当なUSBケーブルを切断して接続しました。筐体は全てプラスチック製ですので感電の可能性は低いのですが、安全を考えてビニールテープで絶縁して筐体内に収めます。
まずは、モバイルバッテリーにつないで起動してみた所、問題なくシステムが立ち上がりました。
電力供給用のUSBケーブルは筐体に穴を開けて外に出します。筐体のフレーム強度を落とさないように気を付けながら、削り込んで開口部を作りました。
USBケーブルからの給電が必須となりますが、元々今ひとつ信頼性にかける機材であったことから持ち出して使用する方法は随分前に止めていましたので、実用上は問題にはなりませんでした。バッテリーを抜いたことでむしろ不安定さがなくなり、今後はタッチパネル付きの小型PCとして便利に使えそうです。
バッテリーが無くなったことに合わせて、Windows10の設定も一部変更しました。
デバイスマネージャでバッテリー関連のデバイスを無効に変え、電源管理でサスペンドなどの設定を解除しました。また、簡易に起動出来るように自動ログインを有効化し、キーボード・マウスの操作はnet.USBに接続した入力装置から行えるようにすることで、起動後に即使用可能な状態となるように調整しました。