多忙を極めた1月の営業日が終わり、どうにか本業の方は一段落させることができました。しかし、2月からは新しい案件と同時に本年度の営業成績によって発生した諸々の問題の解決が求められますので、まだしばらく頭が痛い状況が続きそうです・・・

 

本業の拘束時間が減って来たタイミングで、みにすけ屋さんの掲示板で存在を知った1/72スケールの可動履帯を買ってみました。

これはFire Starterという個人作家のガレージキットとなります。ウレタン抜きのレジンキャストではなくて3Dプリンタで作成した製品だそうです。

今回は2つ購入しました。一つ2,200円となっていますので、今時の海外のミニスケキット一つ分くらいの価格となります。初回ロットは不良品のおまけ付きとなっていますので、かなりお得感がありました。

この塊で5列✕14行の70個の履帯が成形されています。塊の端には組み立て用の治具がセットされていますので、切り出したコマは治具にはめ込んで組み立てて行くことになります。

コマの切り出しはデザインナイフで行いました。コマ自体は5本のゲートで支えられていますので、ゲートもろとも台座から切り出してから、ゲートを切り離す作業を行います。ゲートとコマの接合部分は適度に細くなっていますので簡単に切り離すことができました。

各コマには0.3mmの接合用の穴が開口されていますので、これに0.2mmの金属線を通して組み立てる方式となっています。手持ちの金属線は真鍮・鉄・燐銅がありましたが、今回は初めて組み立てるということもあり最も強度が高い鉄線を使ってみました。

治具にコマを固定して組み立てて行くことになります。治具はそのままでは使いにくいので、ミニ万力に両面テープで貼り付けて動かない様にしてから使用しました。

治具にはコマのセンターガイドを差し込んで固定する溝が付いていましたが、試行錯誤した結果としてはこの溝を使わない方が組み立てやすいと感じました。

センターガイドに合わせてしまうと、コマ同士の接合部分が裏面となることから金属線を通す際のパーツの噛合が目視できませんので、細かい位置調整を考えるとコマを裏返して使うという方法に落ち着きました。

金属線は9mm程度の長さで切り出し、コマの穴に差し込んで固定します。そのままでは脱落してしまいますので、金属線の片側に瞬間接着剤を少しだけ付けて、接着剤の付いた面を引き込む感じで丁度よい位置まで金属線を反対側から引っ張ります。

接着剤はWaveのx3G 高強度を使用し、真鍮板に適量を取り出してけがき針で金属線の先端に塗布しました。

接着剤の硬化後、治具から取り外して余分な金属線を切り飛ばします。この際に接着が甘いと金属線が脱落しそうになりますので、その様な場合には金属線を差し込んが位置に少しだけ瞬間接着剤を塗布して脱落を防止します。

まずは7コマを組み立てましたので、IV号戦車のキットに合わせてみました。元のキットが1/76スケールのため少し大きいということは差し引くとして、プラ製の履帯とは雲泥の差、レジンキャストキットなどで成形されている履帯と遜色が無いクオリティがあると思います。

履帯の可動域は足回りとして使う分には十分なものがありますが、車外装備の増加装甲として使う場合には逆反りの可動域が狭い点は注意が必要です。もっとも、可動履帯ですのでコマ自体を車体に合わせて接着してしまえば、実車の戦場写真で見られるような履帯マシマシで増加装甲として使用している状態を再現することが難しくないと思います。

組み立てには細かい作業が必要となりますが、

  1. コマの切り出し
  2. ゲートの切除
  3. 金属線での組み立て
  4. 接着
  5. 不要な金属線の切除

と作業単位をパート分けして、同じ作業の繰り返しになるように手順を考えれば、個々の作業はさほど難しいものではないと感じました。

丁度、IV号戦車中期型(F1/F2)が作りかけでしたのでタイムリーなアフターパーツが手に入りましたが、一両で約200コマ、合計で400コマ作るのは流石に心が折れるかもしれません・・・・