IBG ModelsのIV号戦車C型の仕上げを行います。
IBG the World at WarのIV号戦車シリーズの連作は仕上げを変えることで様々な表現を試してみましたが、C型は以下の写真を元に仕上げを行っていきます。
再掲となりますが、この写真は1939年のポーランドで撮影されたとされるものです。演習なのか実戦なのかは不明ですが、森の中の窪地にスタックしたIV号戦車C型と乗員と思しき人物が写されています。車体の状態は良好で、砲塔は塗装面の反射も写り込んでいますので土埃を被ったような形跡もありません。
この写真の車両の所属に関する以下の情報が見つかりました。
Polenfeldzug ’39 / 14. Armee / VIII. Armeekorps / 5. Panzer-Division / A.Pz.Rgt.31.001 Panzer Regiment 31, 4.Kompanie」
ポーランド戦役 1939 / 14軍団 / 第8軍 / 第5戦車師団 / 第31戦車連隊 第4中隊
第14軍団は1939年9月1日に発動された「白作戦」において、チェコ国境付近からポーランド南方を越境してクラクフ市(Krakau)へ侵攻、第8軍は9月14日の段階でドンブロヴァ・タルノフスカ(Dąbrowa Tarnowska)辺りまで前進していました。チェコとポーランドの国境付近はカルパティア山脈の北端に位置しており、クラクフ市より先は平野となっていますので、この写真はクラクフ市へ向かう途中で撮影されたものではないかと推察します。
基本色の塗装と部位ごとの塗り分け、デカールを貼ってオーバーコートとしてつや消しを吹いた状態からの作業開始となります。
まずは墨入れを行うため、Mr.ウェザリングカラーのグランドブラウンを適度に乗せ、薄め液で凹部に色を落とし込んで行きます。デカールは白色ですので、あまり上に色を乗せるとくすんだ色合いとなってしまいます。乗せすぎた所は薄め液で色を落とす処理を行います。
足回りはマットアンバーを使ってみました。これは最近リリースされた新色で、塗料の状態では灰・茶・緑の混色のような色合いとなっていますが、乾燥して定着すると写真の様は灰色系の色合いで落ち着きます。
仕上げがある程度落ち着いた段階で、前照灯のクリアパーツを作ります。キットの前照灯はくり抜いた状態で取り付けていましたので、内側にシルバーを塗布した後、UVクリアジェルを流し込んで硬化させて透明パーツを成形しました。
多忙の隙間で色を乗せてはぼかす作業をしていたので、途中経過の写真がほとんどありませんが、結論としては以下の写真の様になりました。
元の写真の様な角度で見ると、この様な感じになりました。
コメント 2件
kleinpanzer のコメント:
2021年2月8日
弊サイトへのコメントありがとうございました。1日も早くコロナ禍が終息して欲しいですね。もうしばらくの辛抱であることを祈りたいと思います。
IV号戦車シリーズの完成おめでとうございます。一気にシリーズ展開されると圧巻ですね。現用は1/72、WWIIは1/76という棲み分けになるのでしょうか。今後も楽しみにしています。
管理人 のコメント:
2021年2月8日
kleinpanzerさん
コメントありがとうございます。
IV号戦車初期シリーズは予定よりも1ヶ月遅れで完成となりました。今回は似たような基礎塗装を如何に異なる印象に仕上げるかという試みでもありましたが、失敗も含めていろいろと試せたと思います。
現用とWWIIのスケールの違いは一番最初に作ったキットがフジミの1/76シリーズであったからという事情と、1/76では現用車両が皆無という事情に依るものです。1/76スケールのキットは絶滅危惧種となりつつありますが、ここまで来たら最後まで貫徹するのも良いかなと考えています。