三菱重工業が中心となって進めているATD-X実験機が来年1月に初飛行予定との情報が公開されました。
<国産ステルス>1月初飛行、4年で実用化判断…三菱重方針
先日、テレビ番組で特集が組まれて以来、認知度が上がっているATD-X実験機ですが、本来は技術検証機の位置づけであったものが、徐々にステルス戦闘機の試作機として扱われるようになってきた感じがします。
しかし、現在の実験機では機体が小さ過ぎますし、エンジン出力も低すぎるため、直ぐには戦闘機の試作機となるものではありません。
各紙報道では、2030年頃に退役を迎えるF-2戦闘機の後継機としている記事が多数を締めます。
しかし、耐用年数の観点から言えば2000年より運用を開始されたF-2よりも、近代化改修が進められているとはいえ1980年から運用開始されたF-15Jの方が先に限界を迎えるのではないかと思われます。
F-15Jの寿命については、Wikipediaの記事では以下の様な記述がなされています。
「防衛省から具体的な機体寿命や退役時期などに関する発表はないが、空自の年間飛行時間から換算すると初期生産分の機体が基本寿命である8,000飛行時間を迎えるのは2025年あたりとなる。アメリカ空軍のC/D型には8,000時間を迎えて更に10,000時間まで延長された機体もあり、MSIP機については当初の2倍以上になる18,000時間への延長も検討されていることから、J/DJ型にも同様の措置がとられる可能性がある。但し近代化改修に対応しないPre-MSIP機については、「中期防衛力整備計画(平成26~30年度)」において新戦闘機への更新を検討することが明記されている。」
引用元:F-15J(航空機)
現時点では退役に関する情報を出すことはできないと思われますが、少なくともF-15J Pre-MISP機については置き換えの対象となる必然性はあるように思われます。
空戦において威力を発揮するステルス性能や双発エンジンによる高い機動性を勘案すると、対艦攻撃能力を特徴とするF-2の後継というよりは、F-15Jの後継と考える方がしっくり来るのではないでしょうか。