ラトヴィア共和国の首都リガは中世の面影を残す旧市街と共に、多数の博物館があります。
歴史・軍事関連の博物館も幾つかあり、その中で知る人ぞ知るラトヴィア軍事博物館を見てきました。
博物館はリガ旧市街内にあり、火薬塔の脇に位置しています。
円筒形の塔が火薬塔、隣接する建物が軍事博物館になっています。
展示物は中世から第二次大戦までを扱っており、多数の遺物と写真が収蔵されています。
中世の武器類も多数見ることができます。
マキシム機関銃を元に開発されたMG08重機関銃です。これは第一次大戦中にはドイツ軍が採用した機関銃です。
第一次大戦中の兵装でしょうか。日本の博物館のように時間軸で正確に展示されているわけではなく、かつラトヴィア語で書かれた解説を読むことができませんので、事前の知識を元に考えることになります。
迫撃砲の一種と思われます。展示物にロケット砲や迫撃砲がやたら多く感じました。
海軍用の機関砲でしょうか。詳細が分からない銃器が多数展示されています。
ドイツともロシアとも似ていても少し異なる軍装です。
第二次大戦時のソ連に占領された際の写真であろうかと思われます。市街地を走るBT-7快速戦車が写っていました。
ドイツ軍の対戦車砲37mmPAK36です。
こちらはソ連軍のM1932 45mm対戦車砲(19-K)です。
PAK36と19-Kは同じ系列の対戦車砲ですので、ほとんど同じ外見をしています。
展示物の最後の方に日章旗があります。
これは大戦後にソ連により多数の日本人がシベリアに抑留された際、現地に居たラトヴィア人医師が譲り受けたものだそうです。
ラトヴィアは1920年の独立後、ロシア・ソ連に長らく苦しめられた地域の一つです。
先の大戦時にはソ連に占領され、その後ドイツが占領、そしてソ連による再占領と併合という歴史を辿っています。このソ連による再占領にあたり、ドイツに協力した多数のラトヴィア人が殺害され、さらにはシベリアに流刑にされたそうです。そのような時代背景の中、思わぬところで我が国との接点があったことをこの旗は伝えていると感じました。