現行の主要なデジタルカメラは無線LANを使用した画像の転送機能を備えています。
FinePix XP90はメーカー配布のソフトを使用することでPCやスマートフォンに転送することができます。
受信する機器にソフトウェアをインストールし、デジタルカメラ側で接続設定を行います。
保存フォルダは任意に指定できますがネットワーク越しのストレージは選択できないため、直接接続されているストレージしか使用できません。
画像の転送はカメラ側のインターフェイスから操作します。
正直なところ、これでは手間がかかり過ぎます。
模型の制作過程を撮影する用途からすると、送信する写真をカメラで選別する必要はなく、撮影した写真は問答無用でPCへ転送する機能こそが求められます。そもそもの用途と目的が違うということもありますが、これを如何に実現するかで作業効率が大きく変わってきます。
この要求を実現する製品がEye-Fiです。
Eye-FiはSDカードにWiFi接続機能を付与した製品です。類似品として東芝が販売しているFlashAirもありますが、撮影した写真を全て転送する用途ではEye-Fiの方が適しています。
以前は2008年頃に購入したEye-fi Share Videoを使用していましたが、新しいカメラでは正常に動作しませんでした。サポートも終息して随分と時間が過ぎていますので、今回は現行製品であるEyefi Mobiを購入しました。
Eye-Fiを記録用のSDカードとしてカメラに入れることで、PC側の無線LANと直接通信をして画像を転送することができます。PC側では無線LANアダプタが必須となりますが、Eye-FiのサイトではUSB接続型の無線LANは非推奨となっていました。
無線LANが内蔵されているノートPCでは問題になりませんが、デスクトップPCの場合には無線LANアダプタを増設する必要があります。通信はインフラストラクチャモードを使用している様ですので製品毎に差異があるかは分かりませんが、プラネックスのGW-450D KATANAでは正常に接続することができました。
専用のアプリケーションをPCにインストールし、Eye-Fiカードのパッケージに含まれるアクティベーションキーを入力することで写真の転送が出来るようになります。
以前のカメラで使用していたEye-fi Share Videoと比べると写真の転送開始がやや遅くなりましたが、十分に実用的な処理能力であると思います。
PCに転送された画像は日付毎にフォルダが自動的に作成されて格納されます。もちろんネットワークドライブに対しても保存ができますし、画像と動画を異なるフォルダに保管させることもできます。
注意点としては、カメラ側のSDカードが中心となった転送用の無線ネットワークが構築されますので、カメラのバッテリーの消費が早くなります。このため、長時間の断続的な使用をする場合にはカメラの予備バッテリーとチャージャーを別途準備する必要があります。
以前と比べると環境構築のハードルがやや上がりましたが、撮影した写真を全て転送する目的を達し出来る製品は現在(2016年9月)の段階ではEye-Fiしかありませんので、同じ用途が必要な方にはお勧めできる製品です。