◆近況

相変わらず多忙で追われていたら、前回の投稿から1ヶ月も過ぎてしまいました。
本業の方は11月末にイベントを控えていて、これに備えて英語の文章作成に追われていたりします。製品戦略的に一年越しの作戦を立てて進めているため、この後に来るイベントは一つとして落とせない状況にあります。

 

◆フィリピン情勢

国内では全く報じられないフィリピン情勢について、先週動きがありました。

 

Philippine conflict: Duterte says Marawi is militant-free (BBC)

直訳すると、「フィリピン紛争:マラウィは解放されたとドゥテルテ大統領が語った」という感じかと思います。

 

そもそもの事の起こりは、本年6月にフィリピン南部ミンダナオ島の都市「マラウィ」がイスラム系武装勢力に占拠された事件となります。

市街戦に関するニュースと共に、6月21日には小学校を一時占拠して民間人が人質になる事件も発生しました。

 

比南部、イスラム武装勢力が小学校を一時占拠 民間人を人質に(AFP)

フィリピンには元々イスラム系武装勢力「モロ民族解放戦線」や「アブ・サヤフ」が存在しており、長年政府と対立をして爆弾テロを繰り返していました。しかし。アメリカ同時多発テロ事件を契機にフィリピン政府はアメリカ軍と協力して掃討作戦を行い、2007年頃にはほぼ壊滅させました。

組織が弱体化した影響からか中東系の武装勢力との繋がりが強まり、今回のマラウィ市の占拠を主導したと言われているイスニロン・ハピロンとマウテ兄弟は中東系の組織との繋がりが強いと言われています。

 

この様な中で本年6月に発生した事件では、マラウィ市内に40~200名の戦闘員が侵入して都市を占拠するという事態に至りました。

 

フィリピン・ミンダナオ島の武装勢力占拠、長期戦になる可能性も(BBC)

 

しかし、結論としては都市の占拠という行為自体が仇になったようです。

密林内のゲリラ戦術であれば政府軍に対抗できたかも知れませんが、僅か200名程度の規模で都市を占拠することはできず、民間人を避難させた上で政府軍による包囲殲滅に合い全滅したそうです。この包囲殲滅戦において指導者であるイスニロン・ハピロンとマウテ兄弟も戦死しました。

 

Philippines military ‘kills Islamist Isnilon Hapilon’

 

約4ヶ月の市街戦の末、マラウィ市の解放、指導者の殺害、武装勢力の殲滅をもってフィリピン政府は勝利宣言を行いました。

 

フィリピン大統領、南部マラウィの解放を宣言

 

フィリピンの一都市における局地戦ではありますが政府側の勝利の意味は大きく、東アジアにおけるIS系列勢力の浸透に対する防衛に一先ず成功したと言ってよいかと思われます。

 

◆そして、フィリピン大統領来日

本日(10月29日)から31日まで、フィリピン共和国大統領ドゥテルテ氏が来日します。

 

ドゥテルテ・フィリピン共和国大統領の訪日

 

ドゥテルテ氏の来日は昨年10月以来の2回目となります。本年6月にも来日の予定がありましたが、大統領本人の体調不良とマラウィ市の件があり延期となっていました。

前回の来日では天皇陛下との会見が予定されていましたが、三笠宮崇仁親王の薨去と時期が重なってしまいかないませんでした。今回も予定が組まれているようですので、一年越しで会見が行われることになる様です。

 

◆日本のマスメディアは使えない・・・

隣国における紛争の決着や大統領の来日について、テレビ・新聞は全く伝えていない様です。(テレビは見ませんの、新聞記事を漁りましたが出てきません・・・)

本投稿を書くに切っ掛けとなったのはネットでのみ配信されている情報番組のコメンテーターの発言で、情報の裏付けはBBCやReuterの配信記事と政府発表を使用しています。

我が国のシーレーン上に位置する隣国の情報すらまともに配信しない日本のマスメディアは、存在意義自体が無くなっていると言って過言ではないと思います。