フジミの1/72ミリタリーシリーズの1/2t トラックの派生型作成の続き。

 

比較調査の結果、迷彩柄の1/2tトラックは地対艦誘導弾部隊で使用されている中継装置(JMRC-R5)であることがわかりましたので、改造すべきポイントを整理します。

まずは、実車の写真を使って通常型の1/2tトラックとの差異を確認して行きます。

あまりにマイナーな車両であることから「中継装置 JMRC-R5」で検索してもほとんど写真が手に入りませんので、類似する改修が施された捜索標定レーダー装置搭載車(JTPS-P15及びJTPS-P26)の写真も参考にしました。

主なポイントは以下になります。

・正面バンパーにウインチを搭載

・キャビンの幌には側面の窓が無い

・キャビン後部の昇降口は観音開きになっている

・キャビン後部の装備品のレイアウトが変更されている

・車体の両側面に左右で形状の異なるボックスが取り付けられている

・偽装ネットが取り付けられている事例がある

読み解いた改造ポイントに従って作り込みを進めます、

追加された車外装備品の類は構造や厚みに合わせて素材を選択して作成します。比較的厚みのある装備品はプラ材の積層化で作成、薄さが必要な部位は真鍮板や鉛板を使用しています。

地味に苦労したのが幌の窓を潰す処理です。キットパーツから窓枠を除去し、紙ヤスリで整えた後に流し込み式接着剤を塗布して表面を溶解させて均しました。

車体の背面は観音開きとなりますが、今回は開閉のギミックは仕込みませんので形状のみの調整となります。

扉に位置に凹モールドを彫り込み、車外装備品の搭載位置を変更します。

予備タイヤの搭載位置はやや右寄りに変更されており、固定用のバンパーが露出していした。この部位は軽装甲機動車などの形状を参考に、真鍮線を加工して作成しました。

車体の左右に取り付けられたボックスは用途が謎ですが、車載機器と外部の装置を接続するためのコネクタボックスではないかと思われます。

88式地対艦誘導弾システムを形成する車列の写真がネット上にありました。

先頭3両の1/2tトラックは人員輸送用、4両目は3t半に専用シェルターを乗せた指揮統制装置、5両目と7両目は中継装置(JMRC-R5)、6両目と8両目が中継装置(JMRC-R5)、9両目が3t半に専用シェルターを乗せた射撃統制装置(JTSQ-W5)ではないかと思われます。