UVレジンキットの1/72スケール 2K22 Tunguskaの作成。

3Dプリンタで作成されたパーツには特有の成形用のサポートがついていますので、これらを除去する作業が必要となります。

パーツとサポートの先端は細くなっていますので、制御可能な範囲のサポートはこの部位を狙ってデザインナイフで切断していきます。パーツから切り離されたサポートは根本を切断して除去します。

次にパーツの奥まった部位にあるサポートの除去に取り掛かります。今度はパーツとの接点を狙って切除を行うとパーツが破損する可能性があることから、土台の根本を狙って切り離して行きます。

土台と切り離した状態。この後、パーツ側に残ったサポートを切り離して切り出しは完了します。

同様に細かいパーツも切り離して行きます。地対空誘導弾のランチャーの様なパーツは、サポートとパーツの見分けがつきにくいため、形を確認しながら慎重に切除を進めます。

パーツ自体の精度が高いことから、仮組みでもしっかりと形になります。

次いで、切り出したパーツの仮組みを進めます。この段階でパーツの噛み合わせ、取り付け位置や固定方法の確認を行います。この段階でのリサーチ結果に基づき軸を入れる位置と固定方法を決めます。

全体の重量がかかる足回りには、旧来のレジンキャストキットと同様に金属線で軸を入れて固定する方式としました。車軸の固定位置を狙って固定用の穴を開けます。UVレジンは硬度が高めで亀裂が入りやすい傾向がありましたので、0.3mmで開口した後、0.5mmに穴を拡大する二段階で開口する方式を取りました。

足回りの穴の位置と合うように車体側も開口し、こちらに真鍮線を軸として埋め込みます。

軸をいれた固定を行った結果、車体と足回りの噛み合わせが改善しました。

キットの構造上、組み立てが必要な箇所が予め開口されている場合もあります。砲塔の追尾レーダーは可動域が確保されており、0.5mmの真鍮線を通す穴が始めから開けられていました。

車体と砲塔の組み合わせは、昔ながらの切掛けを爪として固定する方式です。しかし、パーツの精度が高すぎるのか噛み合わせが硬すぎたため、双方のパーツを削って緩める加工をしています。

砲塔後部に設置されている捜索レーダーは二種類の形状のパーツが付属しており、選択式となっています。

砲塔に主要なパーツを取り付けてみます。対空機関砲の側面に4連装の地対空誘導弾のランチャーが装備されています。映像や写真資料を見たところでは、機関砲とランチャーは独立して動ける構造となっている様です。パーツには固定用の軸を入れる穴が用意されていましたので、これを使って仮組みしています。

パーツの加工と仮組みが出来ましたので、次にキット特有の問題点の洗い出しと修正を進めて行きます。

仮組みまで進んだ段階で、鋳造方式のレジンキットとの違いとして気がついた点は以下になります。

  • 型から抜き出すための剥離剤がついていないため洗浄が不要
  • 製法の違いから気泡が発生しないため、気泡を埋める下処理が不要
  • 製法の違いからレジンの充填不足によるパーツの欠損が発生しない
  • レジンの硬度が高いため、可動軸として金属線を入れても自損しない

下処理の手間が少ないという点は鋳造方式に対する優位性と考えて良いと思います。