Dragon Modelsから1/72スケールのブッシュマスターを陸上自衛隊仕様にした輸送防護車を作る続き。

陸上自衛隊仕様は製造元国であるオーストラリア軍が装備しているモデルと比較すると装甲強化や道路交通法に対応するための改造が施されています。外国製装備を陸自仕様で作る際には細部に関するリサーチが必要になりますので、平成28年の総火演で展示された際の写真から違いを見て行きます。

 

◆正面

正面の特徴としては、フロントガラスが外装方式で強化されている点が上げられます。車体の視察窓全体が同様の強化が施されていますが、フロントガラスは最も大きな透明部品になりますので、再現方法を考えないといけません。また車体上部にサイレンがつけられてますが、これも陸自の独自仕様と思われます。

前照灯には強化プラスチックと思われる防護板とエンジンルーム下部の窪みは元のキットでは再現されていませんので、これもスクラッチが必要になるポイントとなります。

 

◆背面

背面扉の縁は装甲の強化が図られているように見受けられます。SAS仕様では扉自体が強化されていますが、陸自仕様では部分的な強化に留まる様です。また、扉の視察窓も外装型の強化が図られていることが分かります。

ナンバープレートなどは道交法に従った国内仕様に改められています。アンテナ基部と予備タイヤを固定している基部も大型化されており、こちらは陸自の通信機器への対応が目的と思われます。

 

◆左側面

窓ガラスは全て外装型の強化が施されています。また、アンテナ基部は背面と同様に大型化されていることが分かります。車体下部には反射板が取り付けられており、こちらは公道を走行するための対処と思われます。

 

◆右側面

基本的には左側面と同様の箇所に改造が見られます。右側面下部にはウインチが設置されていますが、これは一部の海外仕様にも見られる装備であるため元キットにも部品が付属していました。

右側面にのみ見られる排気口と思しき箇所を見てみると、側面全体に薄い装甲板が追加されていることが見て取れます。これは車体背面を注意して見ると気がつけるポイントとなりますが、この構造を再現するかどうかは要検討となります。

 

陸自仕様の改造ポイントは把握できましたが、最も手間がかかるのは窓の装甲強化部分、作業難易度的にはフロントガラスの装甲強化の再現方法ということになりそうです。また、細部を見てゆくと、元キットの作りの粗さも見えてきますので、何処まで手を入れるか考えないといけません。

とはいえ、特徴的な車体構造は再現されていますので、作りの甘い箇所の修正と特徴点を改修を行う方向で進めて行きます。