73式大型トラックの派生型を作成する作業の続き。

 

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2両同時に作業を進めていますが、作業を共通化出来るシャーシの作成は完了したことから、この先は「81式短距離地対空誘導弾発射装置車」を優先して組み立てます。

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荷台にあたる部位に発射装置が取り付けられており、ランチャー部は水平・垂直に稼働することで上空全域への誘導弾発射が可能な作りとなっています。

しかし、元のキットではポーズを決めて接着する方式となっていたため、細工をして稼働出来るように改造します。

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垂直の動作はランチャーの基部をポリキャップに置き換えることで再現します。

本来はパーツを貼り合わせる前に内側に仕込むのが正解なのですが、今回は作る順番を考えずに貼りあわせてしまったことから、基部は丸ごとポリキャップ化しました。

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水平軸も同様にポリキャップを仕込むことで可動できるようにします。

キットのパーツはあたかもその様な改造をすることを見越したかのような作りとなっていましたので、簡単に仕込むことができました。

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ポリキャップを仕込んだことにより、水平・垂直は自由に稼働させることができるようになりました。

ただし、可動前提で設計された模型に比べるとパーツの強度が足りませんので、あまり激しく動かすと根本からもげる可能性があります。

 

いざ使ってみると、可動模型におけるポリキャップの意味合いが如何に大きかを実感します。

記憶を遡れば、ポリキャップが使われた模型を初めて作ったのは1985年のZガンダムの模型が製品化された時期でした。1983年に製品化されたMSVではポリキャップは採用されておらず、しかしながら後のポリキャップと類似する形状のプラパーツが関節には仕込まれていたことを覚えています。

ロボット物はガンダム以外は作ったことがないので同時期の他の製品で採用されていたのかもしれませんが、ポリキャップは1980年台半ばに生まれた技術ということになると思います。

航空機模型の世界では、稼働する尾翼にポリキャップが使用されている例(ハセガワ F-2A/B等)がありますが、ミニスケールの陸戦兵器類で採用されている事例は寡聞にして知りません。

スケールモデルが扱う題材は目に見える可動部分が少ないということはありますが、この車両の様に特徴的な可動域を持つ題材に対してはメーカー側も可動化について考慮してもらいたいと思う次第です。